1993年に開幕したJリーグは当初2ステージ制でした。
1996年はアトランタ五輪やアジアカップなどの日程の都合により1ステージ制を採用します。
そして翌年1997年から2ステージ制に戻るも2005年以降は現行の1ステージ制になっています。
2015年、2016年の2年間はメディア露出を狙い、2ステージ制になるもDAZN参入によりまた2017年から1ステージ制が復活しました。
このようにJリーグは何度も変革を経て現行制度が定着しました。
そんな中で現在Jリーグは春秋制から秋春制への移行を検討していることが報じられています。
12月のJリーグ理事会の決議で最終決定されるようで注目されます。
ただ1ステージ制は今後も継続されそうです。
最も権威あるリーグ優勝は年間で1番勝ち点を積み重ねたクラブが手にするべきであり皆が納得できます。
そのため今後もこのフォーマットが続くことを願います。
そして現在の34試合制の1ステージ制で鹿島アントラーズは2007年、2008年、2009年と3回優勝してきました。
今回鹿島はリーグ優勝をどのように達成しているのかを振り返ってみようと思います。
2007年
オズワルド・オリヴェイラが新監督に就任します。
前年に司令塔の小笠原満男がメッシーナに期限付き移籍をしていました。
そこで野沢拓也が背番号8を引き継ぎ後継者に抜擢されます。
しかし水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチで左膝内側側副靭帯損傷の全治2ヵ月の大怪我を負ってしまいます。
これによりプランは崩れました。
開幕から2連敗後3引き分けと5試合勝ちなしというワースト記録を作ってしまいます。
すでに5試合で首位の柏レイソルと勝ち点差は10まで開いていました。
その後は徐々に調子を上げていくものの上位の浦和レッズ、ガンバ大阪との差は縮まりません。
そして第26節から怒涛の9連勝が始まります。
それでも残り5試合で浦和と勝ち点差は10も離れていました。
最後は浦和が3分2敗と1度も勝てず最終節で大逆転です。
最終節まで1度も首位に立たなかったチームが最終節で逆転優勝したのはJリーグ史上初めてでした。
年間を通じて首位とは勝ち点10近く離れていた時期が長く追い上げての優勝です。
2008年
前年の勢いをそのままに開幕から5連勝スタートです。
メンバーも大きく変わらずチームに自信がみなぎっていました。
ただ名古屋グランパスも調子が良く勝ち点13とピッタリ後を追ってきます。
その後は鹿島、名古屋、浦和などが混戦状態で20試合ほど続きます。
どのクラブも勝ち切れず抜け出すクラブがありません。
そして鹿島は第29節京都サンガF.C.戦で2−1で競り勝ちようやく頭一つ抜けてきます。
最後は3試合連続で1−0で勝利し勝負強さを見せつけました。
勝ち点63で優勝しているため絶対的な強さがあったわけではありません。
年間を通じて上位は勝ち点3以内でずっと推移していました。
ただ落としてはいけない試合で勝利できたことがライバルとの差に繋がりました。
序盤の5連勝があったことからもどちらかといえば逃げ切った優勝と言えるかもしれません。
2009年
この年もこれまでのベースは変えずに大迫勇也、パク・チュホと新戦力を融合させていきます。
やはり勝負強さは健在で苦しい内容でも1点差勝利で勝ち点を積み上げていきます。
そして第3節から第19節にかけて17試合連続無敗(12勝5分)という当時のJリーグ記録を打ち立てます。
すでにこの時点で2位の浦和とは勝ち点10も離れており優勝は時間の問題かと思われました。
しかし第20節のサンフレッチェ広島戦に0−1で敗れ記録が止まると勝ち負けを繰り返すようになります。
この辺りから徐々にチームの歯車はおかしくなっていました。
さらに第24節から第28節にかけて5連敗をし大失速をします。
第29節を終えた時点でついに川崎フロンターレに首位の座を明け渡してしまいました。
それでも鹿島は蘇ります。
小笠原満男と中田浩二のダブルボランチがチームを安定させ復調します。
最後まで川崎との一騎討ちになりますが終盤の5連勝で振り切りました。
これでJリーグ3連覇です。
この年は中盤戦の貯金により逃げ切り優勝できたと言えます。
以上のように鹿島アントラーズは先行逃げ切りでも追い上げでもリーグ優勝しています。
そのためどちらが得意とも言い難いです。
今季は図らずも追い上げるしかない展開になってしまいました。
鹿島は第5節から4連敗がありました。
そして第9節のアルビレックス新潟戦で勝利しどうにか連敗を止めることができました。
ただ9試合を消化した時点で早くも首位のヴィッセル神戸とは勝ち点が9も離されています。
過去のJリーグで最も大きな逆転優勝があったのが2014年です。
第14節終了時点で首位の浦和レッズと16位のガンバ大阪との勝ち点差は14もありました。
その後W杯中断明けの後半戦から5連勝もあり混戦のJリーグを制しています。
しかしこのような大逆転はそれほど起こるものではありません。
奇跡を信じるより現実を見つめたいです。
現実的に鹿島はこれ以上勝ち点差を広げられたらかなり優勝は苦しくなります。
キャプテンの鈴木優磨もまだ巻き返せると声を大にしてサポーターに呼びかけています。
そのためにもまず鹿島は連勝して上位陣にプレッシャーをかけ続けることです。
そして今季のJ1が混戦になることを願うばかりです。
この2点がうまく合致すれば優勝が見えてきます。
鹿島の上記3度のリーグ優勝は全て最終節で決まっています。
最後まで諦めず戦えば何か起こせるかもしれません。
私は本当にここから巻き返せると信じています。
これまで何度も見てきた鹿島の底力を期待したいです。
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