あなたにとって鹿島アントラーズのこれまでの想い出は何ですか?
そんな言葉を問いかけられたような映像でした。
1月26日に公式HPでクラブ創設30周年事業について発表されました。
今季のスローガン「Football Dream-しんか-」とともに記念ロゴや様々な企画を行っていくことが公表されています。
その特設サイトの中で1分44秒の「夢の続きを」というコンセプトムービーがあります。
短い映像ですが鹿島の歴史が凝縮された素晴らしいものでした。
こちらを作成された方は本当にアントラーズを愛していると思いました。
本当に胸が熱くなるものであり鹿島のサポーターで良かったと思わせてくれるものです。
私は1分20秒の満員のゴール裏のサポーターがタオルマフラーを振り回しているシーンが1番染みました。
今では見られなくなってしまった光景です。
早くあの頃のような熱い応援スタイルが戻ってくる日々を祈るばかりです。
これまでアントラーズはJリーグ開幕後20個のタイトルを手にしてきました。
他クラブのサポーター、関係者からすれば数字を見ると羨ましく思うかもしれません。
しかしいい想い出ばかりでなく悔しい想いも何度もしています。
勝負強いと言われますがこれまで決勝戦で8回も負けています。(1993年、1997年Jリーグチャンピオンシップ、1999年、2003年、2006年ナビスコ杯、1993年、2002年、2019年天皇杯)
そして冒頭の問いかけに戻りますが想い出はいくらでもあります。
タイトルを獲得した試合はもちろんですが遠くアウェイの地まで観戦に行った試合、大勝した試合など枚挙にいとまがありません。
また試合以外でもサポーター同士の交流やスタジアムグルメなどこちらも数えきれません。
その中で今でも色濃く記憶に残っている試合は2009年12月5日リーグ最終節の浦和レッズ戦です。
この試合は雨の埼玉スタジアムで観客は53,783人という大アウェイの中行われました。
2007年、2008年をリーグ連覇しこの年も第3節から第19節まで17試合連続無敗(12勝5分け)という当時のJリーグ記録で首位を独走していました。
第19節終了時点で2位のアルビレックス新潟に勝ち点差10をつけ優勝は時間の問題かと思われました。
しかし第20節のサンフレッチェ広島戦に0−1で敗戦し記録が途絶えると勝ち負けを繰り返すようになります。
さらに第24節から泥沼の5連敗をし川崎フロンターレに首位の座を明け渡してしまいます。(5連敗をしてリーグ優勝したのは2009年の鹿島アントラーズのみ)
第29節ジュビロ磐田戦をどうにかスコアレスドローで連敗を止めると4連勝で再び首位に返り咲き最終節を迎えます。
第33節終了時点は以下のような順位表でした。
1位 鹿島アントラーズ 勝点63、得失点差20
2位 川崎フロンターレ 勝点61、得失点差23
勝ち点差2で得失点差で川崎が上回っている為、川崎が勝った場合は鹿島も勝たないと優勝できない展開でした。
そして運命の最終節ですが川崎は既にJ2降格が決まっていた柏レイソル相手に前半で3−0とほぼ勝利を決めてきます。(結果は3−2で川崎の勝利)
同時刻キックオフのため川崎の動向が気になる中、鹿島は固い試合内容でなかなかチャンスが作れません。
引き分けでは優勝できないため見ている側も時間が経つにつれプレッシャーがどんどん増してきました。
そしてようやく歓喜の瞬間がやってきます。
後半21分に内田篤人のピンポイントクロスに興梠慎三が体ごと飛び込み頭で決めて均衡を破ります。
しかしその後は幾度となく浦和が決定機を作り鹿島ゴールに迫ります。
試合終了のホイッスルが鳴るまで全く予断を許さない展開でした。
最後まで曽ケ端準、岩政大樹を中心に守備が踏ん張ることができ1−0で勝利し3連覇となりました。
試合終了時には喜びもありましたが安堵感もすごかった試合です。
結果的に浦和はこの年6位でしたが優勝争いをしているかのような馬鹿力でした。
本当にこの試合で寿命が縮んだと思っています。
どれか一つとなるとこの試合を選びたくなりますね。
最後に鹿島アントラーズが舞台となっている小説が発売されています。
乗代雄介さんの「旅する練習」という本です。
2020年12月18日には第164回芥川賞候補にも選ばれています。
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内容につきましてはここでは触れませんが感動で涙が出ました。
著者の乗代さん自身が鹿島サポーターとのことで愛の溢れた作品になっています。
このご時世あまり外出もできませんのでお時間のある方はぜひ読んでみてください。
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