7月17日に染野唯月がJ2東京ヴェルディへレンタル移籍をすることが発表されました。
移籍期間は2023年1月31日までです。
本人のコメントを読むと成長のために自身の意思で出場機会のあるクラブへの移籍を望んだようです。
まだ染野は高卒3年目ではありますが危機感があったのでしょう。
これまでも鹿島アントラーズから出場機会を求めて多くの選手がレンタル移籍をしてきました。
しかしほとんどが片道切符になっています。
また一度は戻ってきてもレギュラーを掴めずに移籍してしまうことが少なくありませんでした。
悪いジンクスを染野には払拭してもらいたいです。
せっかくチャンスを得たのでJ2で結果を出し来季は必ず鹿島で戦力になってもらいたいと思います。
染野は中学時代は鹿島のつくばジュニアユースに在籍していました。
その当時はボランチでプレーも思うような結果は出せずトップ昇格は叶いません。
そこで福島県の尚志高校に進学しました。
尚志高校では仲村浩二監督にFWの資質を見出されコンバートすることになります。
そして才能が一気に開花しました。
高校2年生で出場した第97回高校サッカー選手権では5得点をあげて得点王に輝きます。
準決勝の青森山田高校戦で見せたハットトリックは衝撃的なものでした。
翌年の3年生次は腰椎分離症で登録外も高校No.1FWとして卒業後の2020年に鹿島アントラーズに入団します。
そして当時のザーゴ監督に能力を買われ、コロナ中断明けの第2節川崎フロンターレ戦で早くもJリーグデビューを果たします。
元々ボールタッチがうまく器用なため右サイドハーフで使われることも多くありました。
ただチャンスを掴めずにいると怪我もあり徐々に出場機会を減らしていきます。
以下がプロ入り後の染野の3年間のリーグ戦成績です。
2020シーズン
リーグ戦 12試合(先発3試合)0得点、346分出場
カップ戦 1試合(先発1試合)1得点、90分出場
2021シーズン
リーグ戦 9試合(先発1試合)0得点、199分出場
カップ戦 1試合(先発1試合)1得点、258分出場
2022シーズン
リーグ戦 12試合(先発0試合)1得点、99分出場
カップ戦 8試合(先発2試合)2得点、248分出場
天皇杯 1試合(先発1試合)1得点、90分出場
これまで限られた出場時間の中で得点は決めてきました。
2020年8月12日のルヴァン杯GS第3節清水エスパルス戦ではルーキーの中で公式戦第1号を決めます。
しかしリーグ戦では長くゴールから遠ざかります。
同期の荒木遼太郎、松村優太が結果を出す中で苦しい時もあったでしょう。
それがようやく今季初ゴールが生まれます。
第15節のサガン鳥栖戦でアディショナルタイムに劇的な逆転弾となるヘディングシュートを叩き込みました。
デビューから3年目のリーグ戦31試合目での初ゴールと遅咲きではあります。
その後追い付かれヒーローにはなりそびれましたがサポーターの記憶に残る得点となりました。
本当は鹿島でじっくり育てたかったです。
これからという時にレンタルとは言え移籍になってしまい残念な気持ちはあります。
鹿島の下部組織は優秀なFWを育てています。
鈴木優磨は小学1年生から鹿島に関わっています。
またサガン鳥栖にレンタル移籍中の垣田裕暉も父親が元鹿島アントラーズのFWでありジュニアユースからトップまで上がっています。
そしてベルギーのサークル・ブルージュへ移籍した上田綺世もノルテジュニアユースに所属していました。
染野にも同じく若くから鹿島の血が流れています。
まずは東京ヴェルディで出場機会を多く得て結果を出してもらいたいです。
染野は万能型FWであり得点能力も高いです。
経験を積めば大きく化ける可能性はあります。
復帰後は鹿島で試合に絡めるようになってほしいです。
将来的には鹿島のエースになることができる逸材だと思っています。
半年ほどではありますがしばしの別れです。
逞しくなって戻ってくる染野に期待しています。
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