今回は稀代の左利きのゲームメイカーである遠藤康について述べたいと思います。
鹿島アントラーズには数々の素晴らしい選手がいましたが意外と左利きの選手はいません。
遠藤は左利き選手のリーグ戦出場試合数で歴代第1位です。(279試合45得点 12月4日現在)
現役選手のためまだまだ記録は伸びそうです。
第2位は中田浩二の266試合ですがタイプが全く違います。
遠藤以外で左のゲームメイカーと言えば、阿部敏之(63試合3得点)とレオナルド(49試合30得点)が有名です。
鹿島の選手編成は右利き中心なんですね。
そんな遠藤ですが高校時代は塩釜FCユースに所属していました。
塩釜FCというのは社会人サッカーのクラブです。
そのユースのため高校サッカーやJクラブのユースとは異なります。
現在まで社会人リーグのユースから鹿島に入団しているのは遠藤ただ一人です。
高校生で社会人の大人たちと試合ができたのがよかったのでしょうか。
当時はU-18日本代表になったこともありましたが社会人クラブのユースのためほとんど知りませんでした。
後のインタビューで本人もまさか鹿島からオファーが来るとは思っていなかったと話していました。
高校卒業後の2007年に鹿島に入団しプロの洗礼を浴びます。
最初の3年間はほとんど試合に出られません。(2007年2試合、2008年0試合、2009年2試合)
ちょうど鹿島が3連覇した時であり小笠原満男、本山雅志、野沢拓也、増田誓志など日本屈指のタレントが揃っていました。
それでも腐らずに努力した結果が2010年から現れ出します。
3月6日の浦和レッズとの開幕戦で途中出場すると86分にマルキーニョスへ教科書通りのクロスを上げアシストを記録します。
この年は若手のスーパーサブとして存在感を出しました。
翌年からは完全にレギュラーになりチームに欠かせない選手になりました。
鹿島で試合に出るようになるまで4年かかりましたが他のチームに移籍することなく本当に応援したくなる選手です。
こういった選手がもっと出てきてほしいと切に願います。
近年も出番は少なくなりましたが出場した時のパフォーマンスを見れば常に準備を怠らない姿が想像できます。
特に今シーズンは苦しい試合が続きましたが途中出場で攻撃を活性化させてくれました。
第31節の横浜F・マリノス戦では逆転のスーパーボレーを左足で叩き込みました。
私的には今シーズンのベストゴールであり最も興奮した瞬間でした。
このゴールを含めJ通算45得点を決めています。
その内訳を調べたところ左足40点、右足4点、頭1点でした。
もう少し右足でも決めている印象がありましたが圧倒的に左足のゴールが多かったです。
唯一のヘディングゴールは2014年9月27日第26節徳島ヴォルティス戦でした。
59分にカイオのクロスを綺麗に頭で決めています。
あのゴールを見たらもっと決めていてもおかしくありません。
また遠藤は入団した2007年から14年間ずっと背番号が25番で変わっていないという珍しい選手です。
入団会見では椎本邦一スカウトから未来の10番といった話もありました。
今となっては25番でよかったですね。
もう遠藤を超える25番は出てこないでしょう。
ちなみにそれ以前の2000年から2006年まで野沢拓也が付けていました。
テクニシャンタイプの選手として引き継がれいつか25番も鹿島の伝統の背番号に仲間入りしてほしいですね。
最後に鹿島には曽ヶ端準というレジェンドがいます。
鹿島一筋23年のバンディエラです。
曽ヶ端が偉大すぎてあまり話題に上がりませんが遠藤も鹿島一筋14年です。
一学年上の内田篤人は引退してしまいました。
残念ながら鹿島の伝統を継承できる選手はどんどん減ってしまっています。
このようなベテランの力は必ず必要です。
遠藤にはまだ長く貢献してもらいたいです。
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