3月20日にスイス1部セルヴェットFCが、来季の監督にレネ・ヴァイラーが就任したことを発表しました。
スイスリーグは今季がここから終盤戦に突入するため、2023-24年シーズンは7月下旬に開幕します。
そのためヴァイラー監督が見られるのはもう少し先になります。
レネ・ヴァイラーは2022年に鹿島アントラーズの監督でした。
それまで鹿島はブラジル人以外の外国人指導者が指揮したことはありませんでした。
スイス人のヴァイラー監督が就任しクラブ創設以来初の欧州国籍の監督と注目されます。
コロナの入国制限により合流は3月中旬にずれ込むものの、岩政大樹コーチの引き継ぎもあり序盤はいい成績を残します。
キャッチフレーズとなった縦に速いサッカーで5連勝もあり首位になる時期もありました。
しかし徐々に相手に研究され勝ち切れない試合が出始めます。
特に上位対決ではことごとく敗戦しチームの成熟度の差が出ていました。
どうにか優勝争いにしがみつくも5試合勝ちなし(3分2敗)となり退任することになります。
ヴァイラー監督とディエゴ・ピトゥカとの不仲も噂され、双方合意のもとでの契約解除とのことでしたが実質解任でした。
わずか5ヵ月で変革は頓挫することになってしまいます。
コロナ禍であったこともあり何もヴァイラー監督からコメントがないまま帰国してしまったので気になっていました。
その後はフランスリーグの監督就任の噂もありましたがずっとフリーの状態でした。
ようやく母国での新天地が決まり安心しました。
ヴァイラー監督は1973年9月13日であり今年が50歳とまだ若いです。
現役時代はDFとしてスイスの4クラブで合計12年間プレーしています。
1997年にはスイス代表に選ばれ国際Aマッチにも2試合出場しました。
しかしその年に靭帯断裂を伴う果部骨折をし選手寿命を縮めてしまいます。
そのため28歳という若さで現役生活を終えていました。
引退後は2001年からスイスでコーチ業を始め、2005年からは監督業に就いています。
2012-13年シーズンにはスイス2部のFCアーラウを優勝させ1部に昇格させました。
そして2014年から初めて国外に出ることになります。
舞台はドイツ2部の1.FCニュルンベルクです。
ここからはずっと海外で経験を積みます。
2016-17年シーズンはベルギー1部のRSCアンデルレヒトを優勝させ、ベルギー最優秀監督にもなりました。
そして2018-2019年シーズンは一旦スイスに戻りFCルツェルンで指揮し、2019-2020はエジプト1部のアル・アハリで監督をしています。
アル・アハリでは最強チームを作り上げリーグ戦とカップ戦の2冠を達成し、アフリカチャンピオンズリーグでもチームを準決勝まで導いています。
さらに2021年のEUROの後にはスイス代表監督の最終候補の3人に残っていました。
このように年齢の割に監督期間が長く実績は十分です。
今回は9年ぶりの母国復帰になります。
セルヴェットFCはスイスリーグを17回も優勝している強豪クラブの一つです。
しかし最後に優勝したのは1998-99年シーズンと長くリーグ制覇から遠ざかっています。
近年は破産や降格など苦しい時期を過ごしていました。
そこにようやく光が差し込んできました。
今季は首位とは勝ち点18も離れていますが現在2位となっています。(3月21日時点)
来季レネ・ヴァイラーにチームの復権を託した形です。
2年契約であり、さらに1年間の契約延長オプションも含まれているとのことです。
長期政権となりヴァイラー監督の腕の見せ所となりました。
どんなサッカーでスイスリーグを席巻してくれるのでしょうか。
日本に嬉しい報告が届くことを楽しみにしています。
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