データで見る、上田綺世の移籍前後での成績の変化

鹿島アントラーズ

鹿島アントラーズの2022年Jリーグは激動のシーズンでした。

リーグ戦で序盤戦はスタートダッシュに成功し首位を快走する時期もありました。

しかし徐々に勝ち切れない試合が出てくるようになり夏場には急激に失速します。

レネ・ヴァイラーから岩政大樹へと監督交代もありましたが立て直すことはできませんでした。

そのまま低空飛行のままシーズン終了となっています。

その大きな要因となったのは上田綺世のベルギー1部サークル・ブルージュへの移籍です。

シーズンの約半分となる6月末までの第18節まで所属していました。

そして全試合に出場しリーグトップの10得点を挙げていました。

1464分出場での10得点なので、90分当たりの平均得点は0.614と非常に高いものとなっています。

今季のJ1得点王がチアゴ サンタナ(清水エスパルス)の14得点で、90分当たりの平均得点は0.59でした。

そのため上田がシーズン終了まで鹿島にいたら得点王になっていた可能性はかなり高かったでしょう。

規格外な得点が多く、大きなスランプがないためコンスタントに得点を重ねられる選手でした。

また得点を決めた試合の勝率が非常に高いものになっています。

鹿島ではプロ入りした2019年からリーグ戦で通算31試合でゴールを決め、24勝4分3敗の勝率77.4%という成績を残しました。

非常に頼もしいエースであり抜けられたのは大きな痛手です。

得点を決めた試合で勝率が高いのはわかりますが、出場した試合での成績はどうなのでしょうか。

今季2022年の上田が出場した18試合と移籍後の16試合の成績を比較してみましょう。

第1節〜第18節
勝ち点34(10勝4分4敗)
29得点、22失点、得失点差7

第19節〜第34節
勝ち点18(3勝9分4敗)
18得点、20失点、得失点差–2

上田のいた前半戦は1試合平均勝ち点は1.89でした。

優勝した横浜F・マリノスの勝ち点が68で1試合平均勝ち点がちょうど2でした。

そのため上田が最後まで残ってくれていたらマリノスと優勝争いはできていたでしょう。

それが移籍後は1試合平均勝ち点は1.13まで激減しています。

16位でJ1参入プレーオフに回った京都サンガF.C.の勝ち点は36で1試合平均勝ち点は1.09なのでほぼ同じです。

前半戦は優勝争い、後半戦は残留争いと極端な1年でした。

内容を見ると敗戦数は4で同じですが、勝利数が大幅に減りその分が引き分けになっています。

さらに失点数も前半戦と後半戦でほぼ同じです。

しかし得点が大きく減少したため勝ち切れない試合も増えてしまいました。

前半戦も1試合平均失点は1を超えており決して守備がよかったわけではありません。

ただ上田や鈴木優磨、アルトゥール カイキと得点源がいたことで十分補えていました。

それが後半戦では上田が抜け鈴木も得点以外のタスクが増えたことで得点が奪えなくなります。

そして失点は同じようなペースでしたのでどうしようもならない状況に陥ってしまいました。

ここを改善しないことには来季の成績向上は見込めません。

Jリーグに限らず世界的に見ても、毎試合のように得点を決めてくれるFWを探し出すことは至難の業です。

上田綺世のような選手はそうは出てきません。

しかし役割を明確にしシステマチックな守備を構築できれば1試合平均失点は1以下にすることはできると思います。

鹿島は伝統的に強固な守備でタイトルを獲ってきたクラブです。

岩政監督は黄金期のCBでありきっとかつての姿を取り戻してくれると信じています。

来季はいい守備からいい攻撃へと繋げていってもらいたいです。

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