サッカーでは先制点が非常に重要だという言葉をよく耳にします。
元々サッカーは野球と違いそれほど点数の入るスポーツではないからです。
そのため1点の重みが違います。
近年はどこのチームでもまずは守備の整備を重要視していますのでJリーグでもそこまで点の入る試合はありません。
少し前のデータになりますが2003年〜2016年までのリーグ戦全4152試合のデータを見つけました。
それによるとこの期間の1試合の1チームあたりの平均得点は1.39でした。
両チームを合わせても2.78点と数字上は1試合に3点は入らないことになります。
そのため確率的には先制点を取れればほぼ負けないです。
先制して追加点を取れればそのまま勝ちますしもし点を取られても1−1のドローになるからです。
また2010年ですがJ1リーグ戦で先制したチームの結果の確率を見つけることができました。
スコアレスドローを除く得点が入った284試合の確率は以下のようでした。
先制点を取って勝利 69.0%
引き分け 20.4%
逆転負け 10.6%
そしてJ2リーグ戦の同じように得点が入った310試合の確率もほとんど同じようなものでした。
先制点を取って勝利 68.4%
引き分け 17.7%
逆転負け 13.9%
これをサッカーでは7-2-1の法則と呼ぶそうです。
先取点さえ取れば7割近くは勝利し2割は引き分けで、逆転負けは1割ほどしかありません。
つまり先制すれば90%ほどは勝ち点を獲得できるわけです。
しかも大きい大会になれば更に顕著になります。
サッカーの最大の大会と言えばワールドカップです。
現在のように16チームによる決勝トーナメントになった1986年大会以降になると先制した国が80.7%の確率で勝利しています。
2018年7月2日にロシアW杯の決勝トーナメント1回戦で日本代表がロシア代表と戦いました。
日本は2点もリードしましたがその後ベルギーに3点入れられて2−3で敗戦となりました。
確率で考えるとほぼ勝てた試合で負けており今でも悔しさが込み上げてきます。
これでは鹿島アントラーズでもこの確率は当てはまるのでしょうか。
昨シーズン2020年はリーグ戦、カップ戦、ACLプレーオフと合わせて38試合が行われました。
スコアレスドローの試合は1試合もありませんでしたのでこの38試合はどのような結果だったかを振り返ります。(全て鹿島側からの視点)
先制点を取って勝利 14試合(36.8%)
先制点を取ったものの引き分け 1試合(2.6%)
先制点を取ったものの逆転負け 0試合
先制点を奪われたものの逆転勝ち 5試合(13.2%)
先制点を奪われたものの引き分け 4試合(10.5%)
先制点を奪われて負け 14試合(36.8%)
上記のような結果でした。
あくまで各シーズンの38試合の結果ですが鹿島の場合はあまり確率通りに当てはまっていません。
まず先制した場合ですが14勝1分けと圧倒的な勝率です。
一度も逆転負けはなく素晴らしい成績だと思います。
また先制された場合でも5試合で逆転勝ちをし4試合を引き分けに持ち込んでいます。
しかも第11節横浜FC戦、第31節横浜F・マリノス戦、ルヴァン杯第3節清水エスパルス戦と3試合も2点ビハインドから3点を返しての逆転勝利です。
先制されてもそのまま負けずに勝ち点をもぎ取るサッカーができていました。
気になる点としては先制した試合が15試合、先制させた試合が23試合ということです。
これほど先制できれば勝てるチームなのでこの比率が反対になれば相当勝ち点を上積みすることができます。
ぜひ2021年は先制ゴールに注目しながら試合を観てみてください。
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