昨今J2の若手有望株だった選手が移籍したJ1でも通用しています。
2020年はセレッソ大阪の坂元達裕が大ブレイクしました。(J2モンテディオ山形より今季加入)
左利きのテクニシャンでわかっていても独特の間合いでの切り返しにJ1レベルのDFもついて行けていませんでした。
ヴィッセル神戸のFW古橋亨梧(2018年8月にJ2のFC岐阜から加入)のように日本代表になる選手も出てきています。
古橋は神戸移籍後2年連続で二桁得点をしておりJ屈指のストライカーに成長しました。
その中で来年2021年にスターになる可能性のある選手がいます。
今年はJ2アビスパ福岡で大活躍だったFW遠野大弥です。
1999年3月14日生まれの東京オリンピック世代です。
身長は165cmと小柄ですが非常にテクニックがあり日本人らしい選手です。
後述しますが彼は川崎フロンターレ所属で今年は福岡にレンタル移籍していた選手でした。
今年はコロナで異例のスケジュールだったため正直J2まで十分チェックできていませんでした。
しかし9月27日のJ2第22節V・ファーレン長崎vsアビスパ福岡戦を見て確実にステップアップするだろうと思いました。
この試合で遠野は2ゴールを決めましたが2点ともいいゴールでした。
切れ味鋭いドリブルとFWらしい動き出し、そしてシュートのうまさとすでにJ2レベルではなかったです。
さらに守備も献身的で見ている側を惹きつける魅力がありました。
そんな遠野ですがこれまでエリート街道を走ってきた選手ではありませんでした。
経歴を少し振り返っていきます。
まず静岡県の藤枝明誠高校出身で第95回高校サッカー選手権に出場しています。
当時は背番号9番でレギュラーでしたが1回戦で大阪の東海大仰星高校に敗戦しています。
特に県内でも目立った存在でなく高卒後にJリーグ入りは叶わずJFLのHondaFCに加入します。
ホンダは有名ですがアマチュアクラブのため昼間は会社員として自動車部品の製造ラインで検品や修正を施すなどの作業をしていたそうです。
JFLでは入団した2017年から3年間全て優勝します。
特に3年目の2019年はJFLベストイレブンを獲得しついにブレイクを迎えます。
そしてその年の第99回天皇杯での活躍がスカウトの目に留まります。
2回戦でJ1コンサドーレ札幌に4-2(遠野2ゴール)、3回戦でJ2徳島ヴォルティスに2-0(遠野1ゴール)、ラウンド16でJ1浦和レッズ2-0とJクラブを3チームも撃破します。
ちなみに準々決勝で快進撃のHondaを破ったのは鹿島アントラーズでした。
そうは言っても鹿島はプロクラブであり勝って当たり前です。
ただ内容は褒められるものではなく65分の土居聖真のゴールで1−0で辛勝しています。
その試合もFWで26番を付けてフル出場しています。
実はその前年の2018年の第98回の天皇杯2回戦でも対戦しておりその時は鹿島が6-1の圧勝でした。
もちろんその試合も先発フル出場していました。
その天皇杯の活躍が認められてまずJ2アビスパ福岡、その後J1川崎フロンターレからオファーが来ます。
しかし川崎は1年後の2021年に獲得をしたいという内容だったようです。
本人はすぐにプロでやりたかったためまず川崎に加入し1年間アビスパ福岡にレンタル移籍するという方法が取られました。
そして2020年2月23日のJ2開幕戦のギラヴァンツ北九州でJリーグデビュをし初ゴールを記録します。
そのゴールが決勝点で1-0で勝利し福岡のJ1昇格の弾みがつきました。
本人にとってもチームにとっても最高のスタートでした。
結局プロ1年目の成績は1試合の欠場のみで41試合11得点でした。(J2得点ランキング第9位)
終盤の39節から3試合連続ゴールで昇格を決めた第41節愛媛FC戦でもダメ押しゴールを決めています。
12月のJ2月間MVPを受賞し、さらにファン・サポーターが選ぶベストイレブンにも選出されました。
まさかここまで活躍するとは本人も思っていなかったかもしれません。
12月24日のニュースでは来季は川崎フロンターレにレンタルバックされることが濃厚のようです。
Jリーグ覇者の川崎の選手層の中でどれほど出場できるか見物です。
2020年の年末にライバルクラブの選手を紹介するのも気が引けましたがそれくらいよい選手です。
まだ世代別の代表経験もなく世間の注目度も高いとは言えません。
しかし川崎での活躍次第で東京オリンピック代表に滑り込む可能性もあると思っています。
そして海外移籍という成り上がりがあるかもしれません。
ぜひ2021年は遠野大弥に注目してみてください。
|
コメント