9月16日に行われた第30節サガン鳥栖戦で鹿島アントラーズのGK早川友基がリーグ戦デビューを果たしました。
明治大学から加入しプロ入り2年目での初出場です。
鹿島では先に主力となった常本佳吾と同期であり明治大学史上最強世代と言われていました。
明治は少数精鋭であり同学年は15人しかいませんでした。
そしてその内12人がJリーグ入りをしている世代です。
近年大学サッカーを経験してからプロや日本代表になる選手が増えていますが明治はその先駆けです。
OBでは日本代表の長友佑都や室屋成などを輩出しています。
そのような名門校の出身のため実力は確かです。
しかしGKというポジションは一つしかないためなかなかチャンスが回ってきません。
ようやく今までの努力が報われプロとして一歩を踏み出すことができました。
特に鹿島はこれまで曽ヶ端準という実力者が長くレギュラーを務めていたため他クラブ以上に他の選手に出番が回ってきませんでした。
そのため多くの実力あるGKがリーグ戦の出場が叶わずクラブを去っています。
実際リーグ戦に出場したGKは1993年のJリーグ開幕から2022年までに10人しかいなかったのです。
今回の早川で11人目になりました。
他クラブのことは詳しくわかりませんがおそらく相当少ない人数だと思われます。
まずはリーグ戦に出場している11選手のリーグ戦出場数は以下の通りです。(9月17日現在)
曽ヶ端準 533試合
古川昌明 125試合
クォン スンテ 108試合
高桑大二朗 89試合
佐藤洋平 76試合
沖悠哉 59試合
小澤英明 22試合
佐藤昭大 10試合
千葉修 3試合
山田大樹 2試合
早川友基 1試合
錚々たるメンバーの中に早川の名が刻まれることになりました。
そして現所属のGKは全員リーグ戦出場を達成です。
鹿島のGKのリーグ戦最年少出場記録は山田大樹(18歳221日)です。
早川は23歳198日であり沖も20歳352日と皆デビューは早くできています。
デビュー戦となったサガン鳥栖戦では1−1の引き分けに終わるも高パフォーマンスを見せてくれます。
前半からビッグセーブを連発し波に乗ります。
そして入団時に自分の武器を「両足からのロングフィード、ビルドアップで関わる攻撃の第一歩の部分」を語っていました。
高校1年生の時に右足の付け根を怪我するも試合に出場するため左足の練習に取り組んだそうです。
その言葉通り後方からのビルドアップやロングフィードなど持ち味を存分に発揮しました。
岩政監督も評価していたストロングポイントは発揮できたように思います。
これでGKのレギュラー争いはわからなくなりました。
これまではスンテと沖がポジションを争っていましたが早川が食い込んできました。
おそらく鳥栖戦の出来からすれば次の試合も起用されるでしょう。
今のところ3人が横一線です。
また今季唯一出場機会の無い山田も190cmの左利きと世界基準のサイズがあります。
スンテを除く日本人GKは3人とも若く年代が近いです。
GKなので全員をレギュラーにすることはできずこの中で1人しか出場させることができません。
鹿島はこれから非常に贅沢な悩みをかかえることになりました。
スンテが退団した後は1人がレギュラー、1人がベンチ、1人が移籍という構図になりそうです。
辛いですが厳しいプロの世界です。
ここからはチャンスが回って来た時にそのチャンスを掴めるかが重要です。
3人でレベルの高い争いをし誰が出てもチームを勝たせるGKになってもらいたいです。

コメント