上田綺世の充実したベルギー1年目が終わりに近づいてきました。
上田は2022年7月1日に鹿島アントラーズからセルクル・ブルージュへと移籍をします。
移籍当初はトップ下や1トップでの起用と良さが出ません。
リーグ戦は開幕から5試合ノーゴールと初の海外でどうなるかサポーターも心配していました。
上田は単独で何かするプレースタイルではなく味方選手とのコンビネーションで崩していくタイプです。
時間が経つ中で監督もチームメイトも活かし方がわかってくると得点のペースが上がってきます。
8月27日(日本時間8月28日)の第6節ズルテ・ワレヘム戦で移籍後初ゴールを決めます。
しかも日本時間の8月28日は24歳の誕生日当日でした。
これで波に乗るとW杯の中断前までの17試合で7得点を挙げます。
しかしW杯が終わりチームに戻ってからは4試合無得点となりスランプに陥ったかと思われました。
ただそれも杞憂に終わります。
そこから得点のペースが上がりシーズン終盤まで得点王争いをするまでになりました。
そしてここまでリーグ戦全33試合(2641分)に出場し17得点です。
90分当たり平均得点は0.58とJリーグと変わらず高い得点率を誇ります。
この17得点はセルクル・ブルージュで2000年以降最多得点記録とのことです。
さらに今季ベルギーリーグで3位の数字となっています。
リーグトップはウーゴ・カイパース(ヘント)の19得点です。
その差は2点で残すは残り1試合となりました。
セルクルの最終節は日本時間4月23日の25:30からSVズルテ・ワーレゲムとのアウェイゲームです。
果たして上田は2得点以上し日本人初の欧州リーグ得点王になることはできるのでしょうか。
またベルギーリーグのレギュレーションは特殊です。
18チームの2回戦総当りでの34試合でレギュラーシーズンは終わります。
その後1-4位と5-8位チームが2つのグループに分かれて2回戦総当たりのプレーオフを行い優勝クラブを決定します。(レギュラーシーズンの勝ち点の半分が持ち越し)
そのためまずは8位までに入らなければなりません。
セルクルは現在9位で8位のシャルルロワSCと勝ち点47で並んでいます。
最終節に何がなんでも勝たなければならない状況となりました。
チームとしては上田の得点王争いとともに重要な一戦を迎えます。
この試合を前にセルクルのミロン・ムスリック監督は「上田はチームに留まることは難しい。スポーツダイレクターはお金の計算を開始している。」と移籍を容認している発言をしました。
もうシーズン終了後に他リーグへのステップアップ移籍は濃厚のようです。
かつて鈴木優磨も同じベルギーのシント=トロイデンで2020-21年シーズンに17得点を挙げます。
そしてブンデスリーガのヘルタ・ベルリンやトルコのフェネルバフチェ、フランスのリーグ・アンの複数クラブなどから興味があったようです。
しかし本人はセリエAへ強いこだわりを見せ叶いませんでした。
実力的には十分通用したでしょう。
ただ移籍はその時のチーム編成や運に左右されるところが大きいです。
鈴木にはイタリアへの縁はありませんでした。
上田は希望するリーグがあるでしょうか。
ぜひ自分が最も輝けるクラブへ移籍し日本を代表するストライカーとして確固たる地位を築き上げてほしいです。
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