レネ・ヴァイラー前監督の退任により8月9日から岩政大樹監督の鹿島アントラーズが新たなスタートを切りました。
そしてチームはまとまりを見せています。
8月14日に行われた第25節アビスパ福岡戦では2−0で完封勝利を収めます。
先制のオウンゴールを誘発した鈴木優磨がまずは監督に抱きつきにいったシーンが全てを物語っているのではないでしょうか。
監督への絶大な信頼関係を感じ取ることができました。
選手たちの躍動したプレーが随所に見られここから鹿島らしさの復活を期待しています。
これまでシーズン途中に監督交代があったのは5回目です。
今回の岩政監督まで5試合全て勝利でスタートという最高の船出をしています。
最初に鹿島アントラーズでシーズン途中の監督交代があったのは1998年です。
ただこの時は成績不振で監督が解任されたわけではありません。
フランスワールドカップ期間中にジョアン・カルロス監督と合宿に遅れてきたジョルジーニョとの間に確執が生まれてしまいます。
溝は埋まらず選手がサッカーの主役という自論から監督が辞任してしまいました。
そしてコーチであった関塚隆が監督代行として1stステージの残り試合の指揮を取ります。
その間に監督を探し2ndステージからジーコが推薦したゼ・マリオが監督に就任しました。
そのため今回のように成績不振で監督が解任されコーチが監督にスライドしたのは4回目です。
果たして過去3人の監督たちは初戦の勝利以降どのような成績だったのでしょうか。
石井正忠(2015年)
7月25日2nd第4節 FC東京 ◯2-1
7月29日2nd第5節 サガン鳥栖 ◯3-0
8月12日2nd第6節 サンフレッチェ広島 ◯1-0
8月16日2nd第7節 ベガルタ仙台 ◯3-2
8月22日2nd第8節 モンテディオ山形 ◯3-0
8月29日2nd第9節 川崎フロンターレ ◯3-1
9月2日ナビスコ杯準々決勝第1戦 FC東京 △2-2
9月6日ナビスコ杯準々決勝第2戦 FC東京 ◯3-0
9月9日天皇杯2回戦 FC琉球 ◯3-1
大岩剛(2017年)
6月4日第14節 サンフレッチェ広島 ◯3-1
6月17日第15節 コンサドーレ札幌 ◯3-0
6月21日天皇杯2回戦 FCマルヤス岡崎 ◯5-0
6月25日第16節 アルビレックス新潟 ◯2-0
7月2日第17節 柏レイソル ◯3-2
7月5日第13節 ガンバ大阪 ◯1-0
7月8日第18節 FC東京 △2-2
7月12日天皇杯3回戦 モンテディオ山形 ◯5-0
7月29日第19節 ヴァンフォーレ甲府 ◯3-0
8月5日第20節 ベガルタ仙台 ◯2-0
8月9日第21節 ヴィッセル神戸 ◯2-1
相馬直樹(2021年)
4月17日第10節 徳島ヴォルティス ○1-0
4月20日ルヴァン杯第3節 コンサドーレ札幌 ○3-0
4月24日第11節 ヴィッセル神戸 △1-1
4月28日ルヴァン杯第4節 サガン鳥栖 △2-2
5月1日第12節 横浜FC ○3-0
5月5日ルヴァン杯第5節 アビスパ福岡 △1-1
5月9日第13節 FC東京 ○3-0
5月12日第21節 名古屋グランパス ○2-0
5月15日第14節 横浜F・マリノス ○5-3
5月19日ルヴァン杯第6節 コンサドーレ札幌 △0-0
上記の結果のように3人全員が解任ブーストにより快進撃を続けました。
石井監督は9試合(8勝1分)、大岩監督11試合(10勝1分)、相馬監督10試合(6勝4分)といずれも公式戦負けなしを続けます。
いずれも驚異的な結果を出し一気に浮上しました。
タイトルを獲得したのは2015年の石井監督のナビスコ杯のみでしたが見事に鹿島の復活を成功させています。
もう少し就任前の成績が良ければタイトルに手が届いていたかもしれません。
鹿島にとって日本人コーチの昇格は劇薬になっていたわけです。
今回も似た状況で引き継がれておりここからV字回復する可能性は大いにあります。
ただ過去と違うのは現実的にリーグ優勝と天皇杯を狙える位置にいます。
今季の残りはリーグ戦が9試合、天皇杯が最大で3試合です。
過去の解任ブーストのような成績を残せれば何か起こせるかもしれません。
鹿島は2007年にラスト9連勝という怒涛の追い上げを見せます。
そして残り5試合で首位浦和レッズとの勝ち点差10をひっくり返しました。
可能性が0でなければタイトルを掴めることは実証済みです。
あの時から15年が経ちました。
当時CBのレギュラーであった岩政大樹が今は監督です。
選手としても監督としても奇跡が起こるところをサポーターは目撃したいです。
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