2022年のJ1リーグも残すところわずかになりました。
そして優勝クラブも決定しそうです。
10月12日に首位横浜F・マリノスはジュビロ磐田と未消化分の試合が行われます。
また同日に2位川崎フロンターレも京都サンガF.C.との未消化分の試合があります。
両クラブともにこの試合を含めて残りは3試合です。
また勝ち点差は5となっています。
そのためマリノスが勝利し、川崎が引き分け以下になると2試合を残してマリノスの3年ぶり5度目のリーグ優勝が決まります。
もしこの試合で決まらなくても得失点差でマリノスが大きくリードしているため優勝の可能性は限りなく高いです。
それでも当事者からすれば何が起こるかわからないため最後まで不安はあるかもしれません。
選手や関係者、サポーターの気持ちからすれば1試合でも早く優勝を決定させたいでしょう。
昨年の2021年まで1シーズン制は16回ありました。
過去のリーグ優勝決定試合を振り返ってみます。(左が優勝チーム)
1996年第30節(最終節) 鹿島アントラーズvsヴェルディ川崎(0-5)
1位鹿島アントラーズ、2位横浜フリューゲルスに優勝の可能性がありました。
勝ち点差は3でしたが得失点差が15も離れていたため実質前節で優勝は決まっていました。
そのため鹿島に油断があったのかヴェルディの維持があったのか一方的にやられました。
そしてフリューゲルスも浦和相手に0-3で敗戦となります。
そのため鹿島がリーグ優勝となります。
大敗して優勝が決まったため複雑な気持ちだったことを思い出します。
この優勝は全ての始まりとなった1冠目でした。
2005年第34節(最終節) ガンバ大阪vs川崎フロンターレ(4-2)
1位セレッソ大阪、2位ガンバ大阪、3位浦和レッズ、4位鹿島アントラーズ、5位ジェフユナイテッド千葉と5チームに優勝の可能性があり勝ち点2の中にひしめく大混戦でした。
15年経った今でもこれほどの混戦になったことはありません。
上位3チームが引き分け以下で鹿島の勝利で逆転優勝の可能性がありました。
鹿島は柏に4-0で勝利し最低限の結果を出します。
しかしガンバが勝利したため3位で終了となりました。
またセレッソは89分にFC東京に同点ゴールを許し優勝を逃すという最後までドラマがある年でした。
2006年第34節(最終節) 浦和レッズvsガンバ大阪(3-2)
1位浦和レッズ、2位ガンバ大阪の2チームに優勝の可能性がありました。
2チームの勝ち点差は3で得失点差は6という史上初の直接対決になりました。
この試合は埼玉スタジアムで行われ62,241人の観客という当時のJリーグ記録でした。
ガンバが3点差以上で勝たなければならなかったため前がかりになったところを浦和がうまく試合を進めました。
2007年第34節(最終節) 鹿島アントラーズvs清水エスパルス(3-0)
1位浦和レッズ、2位鹿島アントラーズの2チームに優勝の可能性がありました。
勝ち点差は1でしたので浦和が引き分け以下鹿島の勝利で逆転優勝でした。
ただ浦和の対戦相手はそれまで3勝しかしておらず最下位でJ2降格の決まっていた横浜FCでした。
しかし浦和が0-1で敗戦という番狂わせが起こります。
鹿島はきっちり勝ったため最終節で逆転優勝となりました。
これが記念すべき10冠目のタイトルでした。
2008年第34節(最終節) 鹿島アントラーズvsコンサドーレ札幌(1-0)
1位鹿島アントラーズ、2位名古屋グランパス、3位川崎フロンターレの3チームに優勝の可能性がありました。
首位であった鹿島は引き分け以上で優勝であり対戦相手は最下位の札幌でした。
立ち上がりは優勝のプレッシャーなのかかなり固い内容の試合でした。
しかし前半35分に野沢拓也のスーパーミドルで先制してからは流石の試合運びでした。
鹿島の優勝決定試合史上一番安心して観ていられた試合でした。
これで2連覇となります。
2009年第34節(最終節) 鹿島アントラーズvs浦和レッズ(1-0)
1位鹿島アントラーズ、2位川崎フロンターレの2チームの可能性がありました。
勝ち点差は2で得失点差は3点川崎がリードしていました。
そのため川崎が勝った場合は鹿島は引き分け以下なら優勝を逃すというかなりプレッシャーのかかる試合でした。
そして川崎は柏レイソル相手に前半で3-0とリードします。
鹿島は勝つしかなくなりましたがアウェイで浦和相手になかなかチャンスを作れません。
そんな中でも後半21分内田篤人のピンポイントクロスに興梠慎三が頭で決めて均衡を破ります。
その後浦和の猛攻撃を絞ぎ3連覇となりました。
昨年と打って変わって今までで一番心臓に悪い試合でした。
雨の中無事に3連覇できて安心しました。
2010年第31節 名古屋グランパスvs湘南ベルマーレ(1-0)
30節終了時点で2位鹿島に勝ち点差8も引き離していました。
この試合でも玉田圭司の綺麗なボレーできっちり勝利します。
この年が初めて最終節前で優勝が決まりました。
また3試合残しての優勝もいまだにJリーグ最速です。
2011年第34節(最終節) 柏レイソルvs浦和レッズ(3-1)
1位柏レイソル、2位名古屋グランパス、3位ガンバ大阪の3チームに優勝の可能性がありました。
結果的に3チームが全て勝利したためそのまま1位の柏が優勝しました。
柏レイソルは前年J2でしたのでJ1昇格後即優勝となりました。
これはJリーグ史上初の快挙でした。
2012年第33節 サンフレッチェ広島vsセレッソ大阪(4-1)
第12節以降は安定して首位をキープしていました。
2010年以来の最終節を待たずして優勝が決まった年です。
この試合でも得点王になった佐藤寿人がゴールを決めました。
2013年第34節(最終節) サンフレッチェ広島vs鹿島アントラーズ(2-0)
1位横浜F・マリノス、2位サンフレッチェ広島、3位鹿島アントラーズの3チームに優勝の可能性がありました。
しかも1位のマリノスは4位の川崎と、2位広島は3位鹿島と直接対決という上位陣同士の最終節でした。
鹿島にとってはマリノスが負け、広島に10点差で勝てば大逆転優勝という現実的ではない優勝の可能性でした。
結果マリノスは0-1で川崎に負け、勝った広島が逆転優勝し2連覇となりました。
2014年第34節(最終節) ガンバ大阪vs徳島ヴォルティス(0-0)
1位ガンバ大阪、2位浦和レッズ、3位鹿島アントラーズの3チームに優勝の可能性がありました。
鹿島にとっては上位2チームともに引き分け以下で最終節のサガン鳥栖に2点差以上で勝てば優勝でした。
昨年より優勝の可能性は高く他会場の結果次第とは言え勝つしかない状況でした。
そしてガンバは引き分け、浦和も名古屋グランパスに1-2で敗れます。
思ってもみないチャンスが来ましたが鹿島も0-1で鳥栖に負けるという失態を犯します。
優勝のかかった試合で3チーム全てが勝てず唯一引き分けたガンバが優勝という虚しい結末でした。
そしてこの年ガンバは2000年鹿島以来の3冠を達成することになります。
2017年第34節(最終節) 川崎フロンターレvs大宮アルディージャ(5-0)
1位鹿島アントラーズ、2位川崎フロンターレの2チームに優勝の可能性がありました。
勝ち点差は2で得失点差は川崎が12もリードしていたため川崎が勝った場合鹿島は勝つしかありませんでした。
2009年とほぼ似たような状況でした。
そしてあの時と同じように川崎はJ2降格の大宮に前半で2-0とリードします。
勝つしかなくなった鹿島でしたがジュビロ磐田相手に西大伍が怪我で交代するアクシデントや誤審で植田直通のゴールが取り消されるなど不穏な空気が漂い始めます。
結果最後まで効果的な攻撃ができずスコアレスドローで優勝を逃しました。
これまで勝負どころでは必ず勝ってきた鹿島でしたがこの時から何かがおかしくなりました。
そしてこの優勝をきっかけに川崎がシルバーコレクターから脱皮してしまいます。
2018年第32節 川崎フロンターレvsセレッソ大阪(1-2)
W杯中断前は首位広島と最大勝ち点13の差がありました。
しかし前年優勝のプライドからか夏場以降一気に抜け出します。
結果的に2試合を残して優勝となりました。
この試合は90分に家長昭博のゴールで同点にするも、94分に当時セレッソの山村和也のゴールで敗戦となります。
しかし2位の広島も仙台に0-1で負けたため川崎の2連覇が決まりました。
1996年の鹿島以来敗戦で優勝が決まった年です。
2019年第34節(最終節) 横浜F・マリノスvsFC東京(3-0)
1位横浜F・マリノスと2位FC東京の2チームに優勝の可能性があり、2006年以来の直接対決となりました。
FC東京の逆転優勝には4点差以上での勝利が必須でした。
日産スタジアムにはJ新記録の63,854人の観客が訪れました。
状況はかなり2006年と似ており結果も首位のチームが危なげなく勝ちました。
2020年第29節 川崎フロンターレvsガンバ大阪(5-0)
このシーズンは川崎が10連勝、12連勝と記録的な強さを見せつけてきます。
そして優勝をかけた大一番も相手は2位のガンバ大阪でした。
しかし22分にレアンドロ ダミアンのゴールで先制すると家長昭博のハットトリックもあり圧勝です。
4試合を残しての優勝はJ1史上最速となりました。
川崎の黄金時代を象徴するような内容で優勝を決めています。
2021年第34節 川崎フロンターレvs浦和レッズ(1-1)
前年同様川崎の強さが光った年でした。
主力の海外移籍で圧勝する試合こそ減るものの開幕から25試合負けなし(19勝6敗)と首位を独走します。
優勝がかかった試合も33分にジェジエウのゴールで先制しそのまま守り切るかと思われました。
しかし89分に酒井宏樹が意地の同点ゴールです。
2位の横浜F・マリノスがガンバ大阪に0−1で敗れたため2年連続で4試合を残しての優勝となりました。(2021年は38試合制)
これまで16回の優勝決定試合は12勝2分2敗でした。
1996年の鹿島アントラーズのリーグ初優勝であり初タイトルは0−5と大敗で決定しているのは苦い思い出です。
それでもリーグ戦は1年間を通しての結果なので優勝すれば素直に嬉しいものです。
またその鹿島の優勝が決まった日は11月9日であり、日程的にはこれまでの最速で優勝が決まった年でした。
今季は年末にカタールW杯が控えているため大幅に日程が前倒しされています。
そのため次節の10月12日に決まれば歴代最速日程での優勝となります。
今年もまた鹿島アントラーズは他クラブの優勝を傍観する立場になってしまいました。
2017年を最後に痺れるような感覚とは疎遠になっています。
あの時は悔し涙を流しました。
次は優勝して嬉し涙を流したいです。
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