史上初の3冠達成part1【5冠目2000年ナビスコカップ】

鹿島アントラーズ

今回は2000年のナビスコ杯優勝について振り返ります。

不定期企画の第5弾です。

2000年は鹿島アントラーズがJリーグ史上初の3冠を達成した年です。

前年の1999年は3年ぶりに無冠の年でした。

そのため現役時代はジーコとともにブラジル代表で黄金のカルテットを形成していたトニーニョ・セレーゾを監督として招聘します。

そして見事就任1年目で快挙を成し遂げました。

日程がナビスコ杯決勝が1番最初でしたので通算5冠目となります。

早速振り返っていきましょう。

前年の1999年11月3日は決勝戦で柏レイソルに負けタイトルを逃しています。

ゼ・マリオ監督が解任された直後のためジーコが総監督として決勝に臨みました。

しかしアディショナルタイムまで2−1でリードもラストワンプレーで追いつかれPKで負けるというかなり悔しい敗戦でした。

そのため是が非でも獲りたいタイトルでした。

ナビスコは毎年のようにレギュレーションが変更になっており当時はJ1、J2の全27クラブが出場し全ての試合がノックアウトトーナメントとなっていました。

また決勝のみが一発勝負でそれ以外はホームアンドアウェーの2試合合計得点で争われました。

そして鹿島は2回戦から登場しました。

初戦の相手はアビスパ福岡です。

7月5日の第1戦はアウェイでのスタートでした。

いい形で勝利し波になりたいところでしたが開始2分に先制ゴールを決められ苦しい立ち上がりになります。

しかし60分に名良橋晃のゴールで辛うじて引き分けます。

第2戦は1週間後の7月12日です。

この試合も先制しては追いつかれを繰り返し2−2で延長戦にまでもつれ込みます。

当時はアウェイゴールがなく単純に2試合合計得点が同じだった場合は延長戦になっていました。

89分には柳沢敦が退場しており数的不利でしたが92分に途中出場の本山雅志のVゴールで準々決勝に駒を進めます。

そして準々決勝の横浜F・マリノス戦が最も難しい試合でした。

8月30日、9月6日と日程が組まれていましたがこの年はシドニーオリンピックがありました。

その直前であったため鹿島から中田浩二、本山雅志、平瀬智行、柳沢敦、そしてバックアップメンバーの曽ヶ端準と5人も引き抜かれてしまいます。

そのためこのシーズンに川崎フロンターレにレンタル移籍させていた鈴木隆行を呼び戻します。

第1戦ですが16分に柳想鐵に先制ゴールを決められ追いかける展開でスタートします。

しかしいきなりスタメン出場であった鈴木が54分に同点弾、そしてアディショナルタイムにはオリンピックメンバーから落選した小笠原満男のゴールで試合をひっくり返します。

2−1で逆転勝利し鹿島の選手層の厚さを見せつけた試合でした。

そして第2戦も63分に同じ柳想鐵に決められ苦しい展開になります。

しかしこの状況をまたしても鈴木隆行が救います。

アディショナルタイムに鈴木が起死回生の同点ゴールを決め2戦合計3−2で勝ち上がりました。

ここから1ヵ月空き準決勝は10月11日、10月18日に行われます。

相手は名古屋グランパスエイトです。

しかし今度はA代表のアジアカップの開催時期と被ります。

そして高桑大二朗、柳沢敦の2人が招集されました。

代表に多くの選手の取られるのは強豪クラブの宿命ですが辛いものです。

第1戦も苦戦が予想されましたが鹿島は出場した選手がきっちり仕事をします。

10分に平瀬智行、34分に鈴木隆行、41分にビスマルクと前半だけで3−0とします。

これで鈴木は復帰後カップ戦で3試合連続ゴールとなりました。

後半にストイコビッチに1点を返されますがリードを持って2戦目に向かうことになります。

第2戦目ではもう1人のFW平瀬智行が爆発します。

先制された前半のうちに平瀬の2ゴールで逆転に成功します。

後半に同点にされますが89分に小笠原が決めて3−2で2試合とも勝利を飾ります。

日本代表の柳沢がいなくても頼れるFWがおり誰が出てもチーム力が維持されていました。

鹿島はこれで前年のリベンジを果たすべく決勝の舞台に進むことになります。

決勝の相手は川崎フロンターレです。

川崎はこの年に初めてJ1に昇格しており初タイトルをかけての試合でした。

決勝は11月4日に国立競技場で行われます。

まだナビスコ杯の重要性が今ほど認知されていない時代だったためか観客数は26,992人と少し寂しい数でした。

そして決勝に臨んだ鹿島アントラーズのスタメンです。

GK28 曽ヶ端準
DF2 名良橋晃
DF3 秋田豊
DF4 ファビアーノ
DF7 相馬直樹
MF6 本田泰人
MF5 中田浩二
MF18 熊谷浩二
MF10 ビスマルク
FW9 平瀬智行
FW30 鈴木隆行

日本代表に呼ばれていた高桑、柳沢をベンチに置くほどの豪華な布陣でした。

試合は地力に勝る鹿島が終始主導権を握ります。

当時の川崎は勢いで決勝進出したクラブであり差がありました。

まずは31分に本田が左からクロスを上げます。

これを名良橋のトラップが浮きDFが頭で前にクリアします。

そのボールを高卒3年目の21歳であった中田が左足でダイレクトボレーで叩き込みました。

先制点が鹿島に入ったことでさらに鹿島が自分たちのペースで試合を運んでいきます。

追加点こそすぐに入りませんでしたが安心して観ていられるないようでした。

2点目は63分にようやく入ります。

平瀬がドリブルでペナルティーエリア内に切れ込むとDFに倒されPKを獲得です。

このPKをビスマルクが左に冷静に決めて2−0となりました。

そして川崎に全くと言っていいほど攻撃の形を作らせずこのまま完勝です。

これでナビスコカップは1997年以来2度目の制覇です。

個人タイトルは大会MVPが中田浩二でニューヒーロー賞が鈴木隆行でした。

カップ戦はMVPは決勝戦の活躍で選ばれるため先制ゴールの中田でした。

ただ大会を通じてのMVPは鈴木隆行でしょう。

鈴木は最初に少し触れましたがこの2000年はシーズン当初から川崎フロンターレにレンタル移籍中でした。

その川崎ではリーグ戦で11試合に起用されるも無得点であり活躍できていたとは言い難かったです。

それでも鹿島はFW陣の駒不足であったとは呼び戻しました。

その期待に応え復帰後はカップ戦5試合全てでスタメン出場し3得点と結果を出しています。

鹿島への復帰が鈴木のサッカー人生を変え、後に日本代表として日韓W杯に出場する選手にまでなります。

2000年はこのナビスコ制覇以降負けなしでJリーグ、天皇杯の3冠へと続いていきます。

次回は同年のリーグ優勝についてです。

また近いうちに投稿できたらと思いますのでよろしくお願いします。

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