5月25日の第15節サガン鳥栖戦は壮絶な撃ち合いの末4−4のドローに終わりました。
0−3からよく引き分けに持ち込んだと思います。
ただ一時は4−3と逆転に成功したにも関わらず、ラストプレーで失点をしてしまい同点になったためスッキリしない結果となりました。
勝ち点1を獲得しましたがこれが今季のリーグ戦に影響を与えるような気もしています。
最後にはここで引き分けにできてよかったと振り返ることができるシーズンにしたいです。
そしてこの試合で最もインパクトがあったのが染野唯月のゴールです。
2−3と負けている場面で89分に途中出場します。
92分に土居聖真の同点ゴールが飛び出すと直後にハイライトが待っていました。
94分に波状攻撃を見せます。
アルトゥール・カイキが左から綺麗なクロスを入れます。
これに染野が絶妙な飛び込みからヘディングで叩き込みました。
劇的なアディショナルタイムでの逆転弾であり、染野の記念すべきリーグ戦初ゴールとなります。
スタジアムは今季一番の盛り上がりであったのではないでしょうか。
生え抜きの選手がついに覚醒を迎えようかという瞬間でした。
染野は中学時代は鹿島のつくばジュニアユースに在籍していました。
その当時はボランチでプレーも思うような結果は出せずトップ昇格は叶いません。
そこで福島県の尚志高校に進学しました。
尚志高校では仲村浩二監督にFWの資質を見出されコンバートすることになります。
そして才能が開花します。
高校2年生で出場した第97回高校サッカー選手権では5得点をあげて得点王に輝きました。
特に染野を有名にしたのが準決勝の青森山田高校戦です。
この大会で優勝する相手に対しハットトリックを達成します。
右足、左足、右足のゴールとどれも超高校級でかつての大迫勇也を見ているような感じがしました。
そして高校卒業後の2020年に鹿島アントラーズに入団します。
ジュニアユース出身選手が高校を経て鹿島に加入した例は2006年入団の佐々木竜太以来2人目でした。
同期は荒木遼太郎、松村優太、山田大樹と4人います。
その中でも当時のザーゴ監督に気に入られ、コロナ中断明けの第2節川崎フロンターレ戦で早くもJリーグデビューを果たします。
リードの許す展開の中で72分に途中出場でした。
そしていきなりビッグチャンスがやってきます。
85分にゴール前でのこぼれ球をシュートもクロスバーに当たり得点にはなりません。
さらに87分には鋭い抜け出しから相手に倒されPK獲得かと思わせるシーンを作ります。
デビュー戦では18分のプレーも2度の決定機を作り確かな可能性を感じました。
しかしその後は荒木と松村が活躍する中でベンチ外が続くなど苦しい2年間を過ごしてきました。
今季は鈴木優磨の復帰でFW争いは加熱しています。
その中でも常時ベンチ入りはできるようになり出場機会を得ていました。
そしてついにプロ入り3年目の31試合目でリーグ戦初ゴールとなりました。
FWとしては遅いかもしれません。
かつて鹿島のエースでありJリーグでも歴代3位の159得点を誇る興梠慎三も30試合目にリーグ戦初ゴールを決めています。
これからが染野の時代です。
元々ボランチのため視野が広く足元の技術が高いです。
サイズもあるため万能型のFWと言えます。
背番号9に昇格できるようこれから得点を量産してもらいたいです。
そして将来的には日本代表にまで育ってほしいと思います。
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