世界のサッカーは年々進歩をしています。
戦術を分析しより効果的な攻撃をするクラブとより効果的な守備をするクラブが凌ぎを削りあっています。
サッカーは得点を争うスポーツです。
しかし他のスポーツと異なりそれほど多くの得点は入りません。
そのため得点を決めるポジションであるFWの方がスターが多く生まれます。
ただクリスティアーノ・ロナウドやメッシのような選手はそうは生まれず、どのクラブもFWの駒不足に悩んでいます。
その点守備陣の構築は組織的に行われるためスーパースターがおらずとも成り立ちます。
どんな選手であっても2、3人に囲まれれば自由にはプレーできません。
現在では世界中のクラブで守備の意識が高くなっています。
それは日本でも同じです。
攻撃よりも守備に特化したクラブが増えてきています。
2020年に柏レイソルのオルンガが爆発的な得点力でJリーグを魅了しました。
32試合で28得点ととてつもない決定力を見せつけます。
それに釣られ柏レイソルはJ1全体3位の得点数を挙げています。
しかし失点が多く順位は7位でした。
なかなか攻撃だけでは勝つことはできません。
近年のJ1リーグの優勝クラブと失点数に相関関係はあるのでしょうか。
過去10年分の優勝クラブの失点数を調べてみました。
カッコ内は失点の少ない方から数えた順位です。
2012年
サンフレッチェ広島 34試合34失点(2位)
2013年
サンフレッチェ広島 34試合29失点(1位)
2014年
ガンバ大阪 34試合31失点(2位)
2015年
サンフレッチェ広島 34試合30失点(1位)
2016年(最多勝ち点クラブ)
浦和レッズ 34試合28失点(1位)
2017年
川崎フロンターレ 34試合32失点(2位)
2018年
川崎フロンターレ 34試合27失点(1位)
2019年
横浜F・マリノス 34試合38失点(7位)
2020年
川崎フロンターレ 34試合31失点(2位)
2021年
川崎フロンターレ 38試合28失点(1位)
過去10年間で1試合平均1失点を超えたのは1度しかありません。
そして優勝クラブは一貫して相対的に失点数が少ないことがわかります。
唯一の例外は2019年の横浜F・マリノスです。
マリノスは攻撃に特化したチーム作りができており守備を補って余りある攻撃力がありました。
シーズン最後まで攻撃力で押し切りに成功しています。
しかしこの戦い方はリスクが大きいです。
同じように2012年のガンバ大阪も攻撃特化型でした。
ただJ1リーグ最多得点を決めながらも守備が崩壊しJ2降格を味わっています。
やはり現代サッカーでは得点を決めることよりも決められないことを重要していかなければ勝つことはできません。
今年のJリーグも守備がしっかりしたクラブが優勝する可能性はかなり高いと言えます。
果たして鹿島アントラーズはどうなるのでしょうか。
メンバーだけを見ると逆行しているように思います。
エヴェラウド、上田綺世、鈴木優磨とJ屈指のFW陣だけでなく2列目もファン・アラーノ、土居聖真、荒木遼太郎と豪華な面々が揃います。
それに比べると守備陣は層が薄いです。
昨季のレギュラーCBの町田浩樹、犬飼智也が共に移籍でいなくなりました。
また左SBの永戸勝也も退団しています。
CBではまだ1年間をフルで出場したことがない関川郁万と移籍加入のキム・ミンテのコンビが軸でしょうか。
他にはブエノと林尚輝しかいません。
そして左SBは戦力の目処になっているのは安西幸輝しかいない現状です。
鹿島が攻撃に特化しリスクを冒して攻め続けるチーム作りをするとは思えません。
ここはレネ・ヴァイラー新監督の腕の見せ所です。
このメンバーで強固な守備陣形を築けたらきっと優勝できると思います。
どんなチームを作ってくるのか楽しみです。
コメント