もう昨年になりますが2020年に高卒の4人が新加入しました。
染野唯月(尚志)、荒木遼太郎(東福岡)、松村優太(静岡学園)、山田大樹(鹿島アントラーズユース)です。
4人全員が公式戦デビューする素晴らしい活躍を見せてくれました。
まずは4人のルーキーイヤーがどのような成績だったのか確認していきます。
染野唯月
リーグ戦 12試合(先発3試合)0得点、346分出場
カップ戦 1試合(先発1試合)1得点、90分出場
荒木遼太郎
リーグ戦 26試合(先発7試合)2得点、894分出場
カップ戦 3試合(先発1試合)0得点 141分出場
松村優太
リーグ戦 13試合(先発0試合)0得点、140分出場
カップ戦 2試合(先発0試合)1得点、43分出場
山田大樹
リーグ戦 2試合(先発2試合)、180分出場
カップ戦 1試合(先発1試合)、90分出場
昨年はコロナにより交代枠が5人になりました。
そのため出場機会は例年よりも増えました。
それでも4人ともここまで出場するとは思いませんでした。
まず染野唯月ですが選手権予選決勝の翌日の2019年11月18日に腰椎分離症のため全治3カ月と診断されます。
そのため高校3年生の最後の選手権を欠場となりました。
さらに昨年の開幕時はリハビリでした。
しかしコロナで4ヵ月ほどの中断がありその間に復帰し監督の信頼を得ます。
再開後初戦となった第2節川崎フロンターレ戦で72分にリーグデビューします。
いきなりバーに当てるシュートとあわやPK獲得かというプレーでチャンスを作り出しました。
そして第3節のコンサドーレ札幌戦ではスタメン出場もします。
その後もずっとベンチ入りはするほどプロに馴染みました。
しかし腰痛の治療に時間を要しておりその期間の11月18日に右足の関節鏡視下遊離体摘出術を受けています。
腰も足も悪かったんですね。
2年連続で同じ11月18日に悪いことが起こっています。
こちらは全治6週間でしたのでシーズン中には復帰できませんでした。
シーズンの半分くらいは怪我の治療でしたがその中でもこれだけ出場できたのは今年に繋がるでしょう。
今年はリーグ戦でのゴールが見たいです。
次に荒木遼太郎ですがルーキーの中で一番活躍しました。
中学時代から鹿島を応援していたようでそのような選手が主力になり嬉しく思います。
加入時は染野や松村の方が有名でしたが東福岡の10番として実力を存分に発揮しました。
高校時代はボランチとトップ下が本職だったようですが鹿島ではサイドハーフして起用されます。
プレシーズンマッチとは言え2月1日の水戸ホーリーホック戦で38分にチームのシーズン初ゴールを決めます。
キャンプから好調でその流れでうまくシーズンに入れました。
そしてサンフレッチェ広島との開幕戦で60分に途中出場しリーグデビューをします。
鹿島での高卒ルーキーの開幕戦出場は2006年の内田篤人以来史上2人目の快挙でした。
その後もコンスタントにスタメンやジョーカーとして起用されます。
残念なことに11月14日にコロナの濃厚接触者と認定されたため4試合を欠場することになりました。
もしその試合に出場していたら大台の30試合に届いていました。
また終了間際のゴールに絡むことも多くリーグ戦では3つのアシストがありました。
今シーズンの更なるブレイクに期待です。
そして松村優太です。
なんと言っても直近の第98回高校サッカー選手権で静岡学園を優勝に導いた選手として鳴り物入りで入団します。
彼の特徴は右サイドを縦に突破する推進力です。
高校時代は敵なしでしたがやはりプロではいきなり通用というわけにはいきませんでした。
しかしザーゴ監督は早くから将来性を買っており2月16日のルヴァン杯グループステージ第1節の名古屋グランパス戦で公式戦デビューをします。
そして出場9分後に相手GKランゲラックに遅れてタックルしてしまい一発退場となります。
もちろん故意ではなかったのでデビュー戦で厳しい判定になってしまいました。
その後はなかなか出番がやってきませんでしたが8月16日の第10節ヴィッセル神戸戦でリーグデビューもし後半は貴重な切り札になりました。
またルヴァン杯グループステージ第3節の清水エスパルス戦では決勝ゴールも決めています。
スタメン出場がなかったため上記2人より活躍できたとは言いづらいですがジョーカーとして定着しました。
サイドハーフはライバルが多いためすぐにスタメンは難しいかもしれませんが短い時間でもインパクトのあるプレーをできる選手です。
まずは今年はスーパーサブとして地位を確立してほしいです。
最後は山田大樹です。
山田はGKという最もレギュラー取りが難しいポジションです。
シーズン当初はクォンスンテが2017年から引き続きレギュラーでありましたがチームの不振で若手の沖悠哉に第9節サガン鳥栖戦からレギュラーが代わります。
その沖が次節から体調不良で欠場し代わりに出場した曽ヶ端準が低調なパフォーマンスに終わったため山田にチャンスが回ってきます。
そこでリーグ戦2試合とカップ戦1試合の3試合に連続出場します。
8月19日の第11節の横浜FC戦では相手FW皆川佑介のハンドが見逃される誤審がありましたがGKが主審の笛が鳴る前にアピールしていてゴールを決められることは言語道断です。
その他も飛び出しのタイミングなど不安定さはありました。
ただアントラーズ史上初の高卒ルーキーのGKがリーグ戦にデビューしておりよい勉強になったでしょう。
今季は曽ヶ端が引退したとは言え明治大学から早川友基が入団します。
そのため今年は山田が20歳、沖が22歳、早川が23歳と年齢が近いライバルとのレギュラー争いになります。
今の段階では沖が一歩リードしています。
しかし山田はUー15から各世代の日本代表に選ばれており能力に疑いの余地はありません。
身長が190cmと世界のGKとも引けを取らない高さがあります。
きっかけがあればレギュラーになる可能性は十分あると思います。
元々期待されて入団した4人でしたが将来の鹿島アントラーズを背負うには十分すぎる1年目でした。
歴代の高卒ルーキーで1年目の成績はどうだったのか調べてみました。
内田篤人(2006年)
リーグ戦 28試合(先発28試合)2得点、2382分出場
カップ戦 10試合(先発9試合)0得点、729分出場
天皇杯 3試合(先発3試合)0得点、270分出場
大迫勇也(2009年)
リーグ戦 22試合(先発9試合)3得点、842分出場
カップ戦 1試合(先発0試合)0得点、15分出場
天皇杯 2試合(先発0試合)0得点、38分出場
ACL 5試合(先発3試合)3得点、270分出場
ゼロックス 1試合(先発0試合)0得点、1分出場
柴崎岳(2011年)
リーグ戦 13試合(先発6試合)0得点、612分出場
カップ戦 3試合(先発3試合)1得点、360分出場
天皇杯 3試合(先発3試合)0得点、281分出場
ACL 1試合(先発0試合)0得点、5分出場
カイオ(2014年)
リーグ戦 30試合(先発25試合)8得点、2070分出場
カップ戦 6試合(先発2試合)0得点、229分出場
天皇杯 1試合(先発1試合)1得点、55分出場
鈴木優磨(2015年)
リーグ戦 7試合(先発0試合)2得点、108分出場
カップ戦 1試合(先発0試合)0得点、21分出場
天皇杯 2試合(先発1試合)0得点、123分出場
安部裕葵(2017年)
リーグ戦 13試合(先発1試合)1得点、272分出場
カップ戦 1試合(先発0試合)1得点、29分出場
天皇杯 2試合(先発1試合)2得点、93分出場
ACL 1試合(先発0試合)0得点、29分出場
やはり内田の成績は突出しています。
1試合を除きスタメン出場でありこれほどレギュラーになるルーキーも出てこないのではないかと思ってしまいます。
またカイオも1年目にベストヤングプレーヤー賞の受賞にふさわしい活躍をしています。
荒木は大迫、染野と松村は柴崎と安部に似たような1年目の成績でした。
そのため順調に育てば全員海外移籍をし日本代表となるでしょう。
鹿島からいなくならないでほしいですが選手のステップアップは応援したいです。
今季は早期の海外移籍が現実味となるような活躍を待っています。
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