シーズンが終了しすぐに選手の加入、退団の正式発表があるかと思いきやなかなかありません。
そのためサポーターはもどかしい日々を過ごしています。
そんな中12月16日に来季のトップチームのコーチが発表されました。
セルビア国籍のドラガン・ムルジャ、ドイツ国籍のマヌエル・クレクラー、そして岩政大樹の3人です。
ムルジャは2014年から2017年の夏まで大宮アルディージャ、2017年後半は湘南ベルマーレでプレーしており日本で馴染みがあります。
これまで鹿島アントラーズは選手だけでなく監督、コーチ陣も日本人以外はブラジル人で固めてきました。
それが来季は監督がスイス人でコーチもセルビア人にドイツ人と急にヨーロッパ色が強くなります。
うまい方向に行くことを願うばかりです。
そして多国籍化したクラブの架け橋となるのが岩政大樹です。
かつての名選手がコーチとして帰って来てくれました。
国内タイトルから遠ざかり、ブラジル路線からの変更という難しい時期での帰還です。
正直今の鹿島に最も適任だと思います。
この状況でオファーを受けてくれて感謝しています。
ここで少し岩政について振り返ろうと思います。
岩政は1982年1月30日に山口県大島郡周防大島町で生まれました。
非常に小さな島で2021年11月1日現在は総人口が14,000人しかいません。
そこで兄たちと遊びでサッカーを始ました。
運動神経が良く、体が大きかったため当時からセンターバックをやっていたようです。
そして山口県の県立岩国高校時代には山口県選抜メンバーに選ばれ国民体育大会に出場しています。
その後は東京学芸大学教育学部に一般入試で合格し上京することになります。
高校時代は無名に近い選手でありプロサッカー選手ではなく教員になることを目標にしていたそうです。
しかし1年生で関東大学リーグ1部の新人王に輝き注目される存在になります。
そして4年生の時には大学屈指のセンターバックになっていました。
卒業後の2004年に鹿島アントラーズに入団します。
その当時はちょうどDFラインの世代交代の真っ只中であり1年目からレギュラーとして出場し活躍します。
そして2013年までの10年間でJリーグ3回、ナビスコ杯2回、天皇杯2回と7つのタイトルを獲得し黄金期を築きます。
特に2007年から2009年はJリーグ3連覇と鹿島の歴史に名を残しました。
また個人成績としてもリーグ戦に290試合出場し35得点を挙げています。
出場数は鹿島歴代7位で得点数はDFの中で歴代1位です。
セットプレーからのヘディングでのゴールは代名詞でした。
さらに日本代表として国際Aマッチに8試合出場し、2010年南アフリカW杯のメンバー入りもしています。
2013年末で世代交代から残念ながら鹿島を去ることになります。
その後は2014年にタイのBECテロ・サーサナFC、2015年〜2016年はJ2ファジアーノ岡山、2017年〜2018年は関東サッカーリーグの東京ユナイテッドFCと様々なカテゴリーでプレーをします。
引退後の今年は上武大学サッカー部の監督として学生相手に指導をしています。
そして今回相当な覚悟を持って鹿島のコーチを引き受けてくれたようです。
岩政は非常にサッカーIQが高く自分の思っていることを口に出すことができます。
きっと鹿島の選手たちは学ぶことは多いはずです。
特に岩政と同ポジションの町田浩樹、関川郁万はさらなる成長でどこまでの選手になるのか楽しみです。
あまりに成長速度が速すぎると海外に引き抜かれそうですが仕方ないですね。
今シーズン相馬体制で築き上げた鉄壁の守備をさらに強固なものにして欲しいです。
そのためにも岩政の指導には期待しています。
今度はコーチとして鹿島アントラーズの黄金期を到来させてもらいたいと思います。
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