パク・ウィジョン、鹿島アントラーズ韓国人の系譜

鹿島アントラーズ

鹿島アントラーズは1991年のクラブ創設からずっと日本人とブラジル人のみで編成されてきました。

選手のみならず監督やコーチ、スタッフも日本人とブラジル人という非常に珍しいクラブです。

ジーコイズムがあったとはいえ、自国と特定の1ヵ国のみでの編成は世界を見渡しても類を見ないのではないでしょうか。

そのクラブに新しい風が吹いたのが2009年です。

鹿島に初めて韓国人DFパク・チュホが加入します。

以前のJリーグの規約では外国人登録は3人まででした。

それが2008年からアジア枠が新設され、これまでの外国人枠とは別に1枠設けられます。

そのため鹿島にも韓国籍選手が加入することになりました。

その後は継続的に韓国籍選手が所属しています。

ここでこれまでどのような韓国籍選手が所属していたか振り返ってみようと思います。(成績は鹿島アントラーズ所属時の2022年シーズン終了まで)

パク・チュホ(2009年)
リーグ戦19試合0得点
上述のようにクラブ史上初めてブラジル人以外の外国籍選手として水戸ホーリーホックより加入します。
左利きの左サイドバックです。
鹿島加入時は22歳とまだ若かったですが一時は新井場徹からレギュラーを奪うなど堅実な守備を見せてくれます。
退団後はジュビロ磐田を経てFCバーゼルへとステップアップをしました。
2014年ブラジルW杯、2018年ロシアW杯と2度も韓国代表のW杯メンバーとなっています。

イ・ジョンス(2010年〜2010年7月)
リーグ戦10試合3得点
京都サンガF.C.より加入します。
188cmとサイズがあり得点力もある本格派のCBでした。
岩政大樹と鉄壁のCBコンビを形成します。
非常に失点が少なく安定感は抜群でした。
そして鹿島所属時に韓国代表として南アフリカW杯に出場します。
しかし大会直後にオイルマネーでカタールのアル・サッドに移籍をしてしまいました。

ファン・ソッコ(2015年〜2016年)
リーグ戦36試合0得点
サンフレッチェ広島から加入します。
身体能力が高くバランスの取れた万能型のCBでした。
加入当時は昌子源、植田直通が若くいいお手本になっていました。
2015年のナビスコ杯決勝ではガンバ大阪相手に優勝をたぐり寄せる先制点を決めています。
翌年2016年は植田の控えに回ることもありましたが貴重なバックアッパーとしてチームを支えてくれました。

クォン・スンテ(2017年〜)
リーグ戦108試合0得点
2014年から3年連続でKリーグベストイレブンを受賞し全北現代モータースから移籍をしてきます。
Jリーグ経験のない韓国籍選手の加入は鹿島初です。
またGKに外国籍選手を加入させたのも初めてでした。
安定感は抜群で曽ヶ端準からレギュラーを奪います。
2018年のACL優勝はスンテなしでは達成できなかったでしょう。
全北現代でもACLを2度優勝しており、初のACL3度の優勝経験者となりました。
今では若手ばかりとなったGK陣に丁寧に自身の経験を伝えてくれています。

チョン・スンヒョン(2018年7月〜2019年)
リーグ戦24試合0得点
金崎夢生とトレードのような形でサガン鳥栖から加入します。
ちょうど植田直通がサークル・ブルッヘに移籍し手薄になったCBの補強で獲得です。
直前にはロシアW杯にも出場しました。
ペルセポリスとのACL決勝第1戦では開始早々の4分に顔面ブロックで最大のピンチを切り抜けます。
これで流れに乗り初戦を2-0で勝利することができました。

キム・ミンテ(2022年〜)
リーグ戦21試合1得点
北海道コンサドーレ札幌から加入します。
手薄なCBの救世主として期待されるもベンチが続きます。
またアンカーとして途中出場で起用されるなどレギュラーを掴むことはできませんでした。
日本も長くコミュニケーションに問題はありません。
連携を深めCBのポジション争いに食い込んでいきたいです。

そして2023年から加入するパク・ウィジョンで7人目の韓国人選手となりました。

ただこれまでの選手とは異なり、高校卒業時に新卒で加入することになります。

外国籍選手の高卒加入はイゴール、カイオに続き3人目です。

報道では4年の長期契約であり2年間は育成期間のようです。

クラブの長期的視点からも欲しい逸材だったのでしょう。

190㎝とサイズがありシュートストップにも自信を覗かせています。

韓国はゴールキーパー大国であり、次々と優秀な選手を輩出しています。

キム・ジンヒョン(セレッソ大阪)やチョン・ソンリョン(川崎フロンターレ)などJリーグで育った選手が多いです。

パクも将来的に韓国代表に入る素質は十分あります。

ぜひ数年後には鹿島アントラーズ、そして韓国を支えるGKになってほしいと思います。

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