現在の鹿島アントラーズで最も厳しい立場になっているのが韓国人GKのクォン・スンテです。
まずは日本人ではないため外国人枠になりますが鹿島の場合はブラジル人たちで埋められています。
またGKはポジションがひとつしかないためなかなか出番が回ってきません。
今のファーストゴールキーパーは沖悠哉です。
年齢でサッカーをする訳ではありませんがスンテが36歳で沖が21歳です。
沖は若さ溢れるビッグセーブがあり試合を重ねるごとにどんどん成長しています。
そして昨シーズンの途中にスンテからレギュラーを奪い取りました。
残念ながら東京オリンピックのメンバーからは漏れてしまいましたが最終的にギリギリのところまで食い込んできました。
J1デビューから1年足らずでここまでの選手になるとは当時は思いませんでした。
チームとしては若い沖にこれからの鹿島アントラーズを背負わせたい気持ちはわかります。
しかしスンテにも沖に負けない武器がありこれほどチャンスがないのも疑問に思ってしまいます。
沖の成長のためにも調子の良い方を起用するといった柔軟な対応をしてもらいたいです。
今回はそんなクォン・スンテをピックアップしてみました。
クォン・スンテは1984年9月11日生まれで韓国の江原道江陵市の出身です。
全州大学校という大学を卒業後の2006年に全北現代モータースに入団しました。
全北現代は韓国の名門クラブで国内リーグを8度も優勝しています。
スンテは全北現代には2006年〜2010年、2013年〜2016年と9年間所属していましたがその間にも3回優勝しています。
そしてACLも2006年と2016年の2度も優勝していますがスンテはレギュラーとして優勝に貢献しました。
個人としては30歳を過ぎた辺りから評価が高くなります。
2014年〜2016年は3年連続でKリーグベストイレブンを受賞です。
さらに2015年には韓国代表としてデビューしここまでAマッチに6試合に出場しています。
そして2017年に鹿島からオファーがあり自身初の海外移籍を果たします。
当時は鹿島には曽ヶ端準という絶対的なGKがいましたのでどちらがレギュラーになるか見ものでした。
そんな中スンテがレギュラーの座を開幕から掴みます。
3月4日の第2節ヴァンフォーレ甲府ではアディショナルタイムのPKをストップし初勝利を手繰り寄せました。
これでサポーターを完全に虜にしました。
その後は曽ヶ端がレギュラーに返り咲く時期もあり2人は高いレベルでのレギュラー争いをします。
しかし2018年からはスンテが試合に出場することが多くなります。
そして鹿島アントラーズの悲願であったACL制覇に大きく貢献します。
自身は全北現代の2回と合わせて初のACL3度の優勝経験者になっています。
そんなスンテにとって不運だったのは昨年の2020年にザーゴ監督になりチームの調子が悪かったことです。
そのためシーズン途中でザーゴはスンテから沖に変える決断をしました。
その後はリーグ戦で出番がやってくることはありませんでした。
身長は184㎝とGKにしてはそれほど大柄ではありません。
しかし上記にもありましたがPKストップも多く安定感は抜群です。
今季はリーグ戦は沖、ルヴァンカップはスンテという起用法でした。
しかし6月6日のルヴァン杯プレーオフ第2戦清水エスパルス戦でスタメン出場をしてからはベンチにも入らなくなりました。
6月16日の天皇杯2回戦Y.S.C.C.横浜戦ではルーキーの早川友基がプロデビューを飾っています。
コロナになってから選手の情報が入りにくくなったため怪我で外れているのか他に理由があるのかわかりません。
これまでのリーグ戦では出場機会がなくてもベンチ入りはしていました。
そして試合後にはライバルである沖に熱心にアドバイスをする姿をいつも見てきました。
そんな人間性も素敵です。
このまま出番がなければ今シーズンで退団してしまう可能性は大きいです。
7月2日にはユースから18歳のGK髙橋楓が2種登録されたことが発表されました。
これも来年を見据えてのことなのかと深く考えてしまいます。
もう1度スンテのスーパーセーブが見たいです。
そして満面の笑みでチームを明るくしてもらいたいと思います。
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