鹿島アントラーズは伝統的に強固な守備をベースにチーム作りがなされてきました。
まずは守備の安定から試合を落ち着かせ、自分たちのサッカーを展開していきます。
そのため鹿島のセンターバックは高さや強さ、ポジショニングやカバーリングなど様々な要素が求められクラブの象徴をなっていきました。
さらにその選手たちはJリーグを代表するCBとなり、日本代表や海外移籍を果たしています。
これまで守備陣には何より失点を減らすことが求められてきました。
そして実際に成績が良かったシーズンは失点が少なくなっています。
1ステージ制になった2005年以降、鹿島の失点が少なかった年とリーグ戦の順位は以下の通りです。
30失点(1試合平均失点 0.88)
2008年(優勝)
2009年(優勝)
2019年(3位)
31失点(1試合平均失点 0.91)
2010年(4位)
2017年(2位)
上記の5年が鹿島の失点が少なかった年です。
クラブ史上最少失点は30であり過去3回ありました。
まず2008年、2009年は3連覇時の2年目と3年目です。
この時は攻守ともに完成度が非常に高いものでした。
また2017年は2位ではありましたが、クラブ史上最多タイの勝ち点となる72を稼いでいます。
川崎フロンターレと同勝ち点ではありましたが得失点差で敗れました。
最終節の不可解な判定がなければ優勝できていた可能性は高いでしょう。
そして2010年と2019年は得点力不足に悩み、勝ち点を伸ばすことができませんでした。
クラブ最多得点者は2010年がマルキーニョスの11得点、2019年がセルジーニョの12得点となっています。
二桁得点をするのがやっとであり、次に続く選手もいませんでした。
せっかくいい守備が構築できていただけに残念です。
このように5年のうち2回が優勝し、優勝を逃した3回もチャンスは十分ありました。
やはり失点を少なくすることで優勝争いには絡めています。
それでは次にこの5年間はどのCBコンビが最も起用されどれほどの失点数であったかを調べてみました。
2008年 18試合22失点(1試合平均失点 1.22)
大岩剛
岩政大樹
2009年 29試合26失点(1試合平均失点 0.90)
岩政大樹
伊野波雅彦
2010年 26試合20失点(1試合平均失点 0.77)
岩政大樹
伊野波雅彦
2017年 29試合22失点(1試合平均失点 0.76)
昌子源
植田直通
2019年 18試合18失点(1試合平均失点 1.00)
犬飼智也
町田浩樹
現在の監督である岩政大樹が3度もランクインしているのは流石です。
自身の経験を今のチームに還元してもらいたいですね。
そして僅差でありますが2017年の昌子、植田コンビが最少失点率を誇っていました。
この時は昌子が25歳、植田が23歳と非常に若いCBでした。
そもそも植田が1年を通じてレギュラーとして出場できた初めての年です。
しかしながらお互いが補完し合い抜群の連携を見せてくれました。
今季は奇しくもその昌子と植田が同じタイミングで帰還しました。
本当に運命めいたものを感じます。
ただ昌子は年明け早々の1月8日の練習で右膝内側側副靱帯損傷の全治6週間の怪我をしてしまいました。
リーグ開幕戦にギリギリ間に合うかどうかです。
そのため宮崎キャンプでも全体練習に参加できず連携面などの不安はあります。
それでなくても昌子はフランスのトゥールーズFC、ガンバ大阪ではかつての躍動感を見ることは少なくなっていました。
果たして鹿島に戻ってきたことで復活できるのでしょうか。
2017年のように1試合平均1失点を切るような成績を残してほしいです。
今の鹿島は攻撃陣も充実しているためそのくらいの失点に抑えられれば自然と勝ち点は積み上がっていくでしょう。
昌子がかつての姿を見せて植田と素晴らしいコンビネーションを築いてくれれば何も問題はありません。
今季は最強コンビであの時達成できなかったリーグ優勝をぜひ成し遂げてほしいです。
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