2023年は岩政大樹監督がスタートから指揮をする最初の年です。
昨季も最初からコーチとしてチームに携わっていました。
新監督に就任したレネ・ヴァイラーがコロナ禍の入国制限により来日がかなりずれ込みます。
そのためキャンプから3月中旬まで監督代行としてチームを指揮していました。
岩政コーチを中心にチームはまとまっていたと思います。
リーグ戦は4試合を3勝1敗で乗り切りスタートダッシュに成功しました。
しかしあくまで監督とコーチは別物であり自分のやりたかったことができたわけではありません。
その後8月にレネ監督が退任してから正式に監督に就任します。
ただその頃はチーム状況は最悪でした。
思った以上に深刻であり最後まで立て直すことはできません。
特に上田綺世がベルギーに移籍してからの得点力不足はどうにもできませんでした。
非常にもがき苦しんだ約3ヵ月となっています。
この苦悩が今季は実を結んでほしいです。
これから本格的に岩政監督の挑戦が始まります。
どれほどの成績を残すことができるでしょうか。
ここで歴代13人の監督の就任期間とタイトル数を振り返ってみます。(トニーニョ・セレーゾは2度就任)
宮本征勝(1993年〜1994年6月)
なし
エドゥー(1994年6月〜1995年)
なし
ジョアン・カルロス(1996年〜1998年7月)
3冠
Jリーグ(1996年)、ナビスコ杯(1997年)、天皇杯(1997年)
ゼ・マリオ(1998年8月〜1999年8月)
1冠
Jリーグ(1998年)
トニーニョ・セレーゾ(2000年〜2005年)
5冠
Jリーグ(2000年、2001年)、ナビスコ杯(2000年、2002年)、天皇杯(2000年)
パウロ・アウトゥオリ(2006年)
なし
オズワルド・オリヴェイラ(2007年〜2011年)
6冠
Jリーグ(2007年、2008年、2009年)、ナビスコ杯(2011年)、天皇杯(2007年、2010年)
ジョルジーニョ(2012年)
1冠
ナビスコ杯(2012年)
トニーニョ・セレーゾ(2013年〜2015年7月)
なし
石井正忠(2015年7月〜2017年5月)
3冠
Jリーグ(2016年)、ナビスコ杯(2015年)、天皇杯(2016年)
大岩剛(2017年5月〜2019年)
1冠
ACL(2018年)
ザーゴ(2020年〜2021年4月)
なし
相馬直樹(2021年4月〜2021年)
なし
レネ・ヴァイラー(2022年〜2022年8月)
なし
鹿島の監督は意外と短命です。
長期政権順ではトニーニョ・セレーゾが2期合わせて約8年半、オズワルド・オリヴェイラが5年、ジョアン・カルロスが約2年半、石井正忠が約2年となっています。
それ以外の9人は1年半以下でした。
上記4人の監督は全員就任1年目でタイトルを獲得し信頼を得ています。
それが長く監督を続けることができた要因であると思います。
そして2年以上続いた4人の監督は全員タイトルを複数個獲得していました。
さらに4人で17冠と総タイトルの20冠のほとんどを占めています。
岩政監督は今の時代に強豪クラブを作り上げるには明確なチームのスタイルが必要だと話していました。
基盤がしっかりしているからこそ状況によってイレギュラーな戦い方をしても活きてくるとの考え方です。
そのようなチーム作りには時間がかかることも認めています。
そこを突き詰めた横浜F・マリノスと川崎フロンターレがJリーグの2強となりました。
ただ鹿島アントラーズというクラブはタイトル獲得が義務付けられており、勝利から遠ざかれば監督は解任されてしまう恐れがあります。
ある程度結果を出しながらもチームの骨格を作らなければなりません。
そのバランスが難しいところです。
昨季はどうにか天皇杯獲得に手が届きそうではありました。
しかし準決勝でヴァンフォーレ甲府に敗れてしまいます。
強豪クラブが早々と敗退してしたこともありチャンスだったので優勝したかったです。
かつての鹿島は選手や監督、戦術など様々な要素が噛み合って常勝軍団を作り出していました。
そこに勝負強さという他クラブには真似できない伝統がありました。
それがあったから他の追随を許さない20冠を達成できています。
今季はその伝統的な勝負強さを継承するために昌子源と植田直通を復帰させました。
ここで伝統の火を消すわけにはいきません。
岩政監督はクラブの命運を握る年に指揮を執ることになりましたがこの重要な任務を遂行してもらいたいです。
鹿島ではどうしてもタイトル獲得が評価されます。
そのため今季無冠では首が飛ぶ可能性が高いです。
まずは1つタイトルを獲れれば監督のやりたいサッカーができるようになるでしょう。
そこから鹿島がさらに発展するよう長期的に指揮をしてもらえたらと思います。
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