今回は鹿島アントラーズのJリーグ月間MVPの受賞者を振り返ります。
こちらは2013年5月14日に当時Jリーグの公式協賛スポンサーを務めていた日本コカ・コーラの協賛により制定されました。
これまでは年間賞しかなかったため月間賞としては初のものとなっています。
5月に制定されましたが遡りこの年の3月から選定されています。
そのため2013年3月から受賞者が発表されました。
記念すべき第1回の受賞者は当時横浜F・マリノスの中村俊輔でした。
中村は年間MVP2回 (2000年、2013年)やベストイレブン3回 (1999年、2000年、2013年)など数々の個人タイトルを受賞しています。
しかし日本ではクラブタイトルはナビスコ杯1回 (2001年)と天皇杯1回 (2013年)の2回しか優勝はありません。
個で突出した選手がいるからといって優勝できないところがサッカーの難しいところですね。
さて話を鹿島アントラーズの受賞者に戻します。
これまでどのような選手が受賞してきたのでしょうか。
またどのような成績で受賞してきたかを振り返っていきます。
2013年8月
大迫勇也 6試合出場6得点
鹿島初の月間MVPは大迫勇也でした。
8月のリーグ戦全6試合にフル出場して6得点です。
チームは月間6試合を4勝2敗の成績でした。
高い勝率ではありませんが4試合連続ゴールの合計6得点が評価されました。
その中でも一番の活躍は8月24日第22節横浜F・マリノス戦です。
前半に先制されるも69分、78分と連続ゴールで2-1と逆転勝利をします。
同点弾は本山雅志からのパスをワンステップで相手DF振り切って左足でゴールします。
また逆転弾も本山のパスからドリブルで相手DFとの駆け引きしながら右足で強烈なシュートを突き刺します。
2点とも対応していたのは中澤佑二でしたので大迫の凄さが際立った2ゴールでした。
2014年8月
柴崎岳 5試合出場2得点
チームは5試合を4勝1分けでした。
全5試合にフル出場し2得点を上げるなどチームの無敗に貢献したことが受賞理由でした。
柴崎の場合はボランチのためゴールやアシストといった直接の数字よりゲームをコントロールするところが評価されています。
そのためチームの勝利が絶対条件になってきます。
その中でもすごかったのは8月16日第20節ヴァンフォーレ甲府戦です。
開始20秒ほどでこぼれ球をゴール正面からロングシュートを打ちます。
これがブレ玉でさらに左にカーブしながら綺麗にネットを揺らします。
柴崎の歴代ゴールの中でもベスト3に入るであろうスーパーゴールでした。
2016年5月
金崎夢生 4試合出場3得点2アシスト
チームは5試合を4勝1分けでした。
そのため1試合を欠場していますが受賞できています。
ゴール数+アシスト数はリーグ1位タイで勝利に貢献したことが評価されました。
3試合で3ゴールでありコンスタントに活躍した月でした。
私は5月8日第11節のアウァイのジュビロ磐田戦のゴールが好きでした。
試合は1-1のドローでしたが先制ゴールです。
55分にカイオからのパスに右足のコントロールショットでゴールを決めます。
金崎らしさが出ていた得点だと思います。
2016年6月
小笠原満男 3試合出場
チームは3戦全勝でした。
そして1stステージ優勝を成し遂げます。
大一番の試合での勝負強さが評価されての受賞です。
3試合とも痺れる内容でした。
6月11日第15節浦和レッズ戦にアウェイで2-0の完勝、6月18日第16節ヴィッセル神戸戦にアウェイで2-1の逆転勝利、6月25日第17節アビスパ福岡戦でホームで2-0で勝利し1stステージ優勝とどれも絶対に負けられない試合でした。
前年の2015年のナビスコ杯決勝もそうですがチームの歯車が噛み合っている時は必ず小笠原の潰しが効いていました。
2017年8月
金崎夢生 5試合出場3得点3アシスト
月間5試合を4勝1敗で乗り切りました。
全5試合に出場しチームの8得点のうち6得点に絡んだことが評価されています。
特に神戸に移籍が噂されていた中での8月9日第21節ヴィッセル神戸戦での活躍が忘れられません。
なかなか移籍の渦中の中で該当チームと対戦することはないですよね。
アウェイで2-1の逆転勝利でしたが同点弾、逆転弾と2ゴールを決めてくれました。
この勝利で首位に躍り出ます。
本当に当時は頼もしいストライカーでした。
2018年7月
鈴木優磨 4試合出場3得点2アシスト
チームは4試合を2勝2分けの負けなしでした。
今後の活躍への期待、多彩なプレーに評価が集まったとのことです。
この頃から強引な突破だけでなく余裕をもったプレーができていました。
その真骨頂が7月25日セレッソ大阪戦の57分の先制ゴールです。
犬飼智也からの縦パスが相手DFに当たり流れてきたところを左足ループシュートで綺麗に決めました。
普通はGKと1対1になったら焦りますがループを打てるあたりは周りが見えている証拠です。
しかも相手GKは韓国代表のキムジンヒョンだったのですから流石です。
2019年7月
セルジーニョ 4試合出場2得点1アシスト
チームは4試合を3勝1分けでした。
ちょうど怪我人が多くさらに3人が海外移籍をした苦しい時期を前線で引っ張ったことが受賞理由でした。
特に7月13日第19節ベガルタ仙台戦での活躍が思い出されます。
自ら2ゴールをあげて4-0での勝利の立役者になります。
白崎凌兵のゴールもセルジーニョのヘディングシュートのこぼれ球を決めており土居聖真もセルジーニョのクロスに決めています。
全4ゴールに絡む大活躍でした。
2020年11月
エヴェラウド 5試合4得点2アシスト
チームは5試合を戦い3勝1分け1敗の成績でした。
自ら得点を取るだけでなくアシストもできチームへの貢献度が高いという理由でした。
本当に終盤戦の鹿島の攻撃はエヴェラウドがいてこそのものでした。
印象に残っているのは11月3日第31節横浜F・マリノス戦、そして11月14日第27節川崎フロンターレ戦のゴールです。
ともに同点ゴールでしたがマリノスには逆転勝利をし、川崎にも逆転できそうなところまでいきました。
特に川崎戦はクラブにコロナの陽性者が出たため開催が危ぶまれた試合でしたが残っている選手で維持を見せつけたよい試合だったと思います。
以上7名(金崎のみ2回)が鹿島では受賞しています。
残念ながら2015年は受賞者はいませんでした。
2013年以降リーグ優勝したのは2016年の一度きりです。
しかし意外と月間MVPは毎年のように選ばれており合計8回選出されています。
これは単純に1ヵ月間での成績なのでその期間で活躍できれば受賞できます。
やはり一番はチームの勝利です。
全勝とまではいかなくともそれに近い勝率であればキーマンが受賞する可能性があります。
またFWは得点を量産できれば受賞の可能性があります。
さらに8回中5回が7月、8月の夏場です。
夏に強い鹿島の特徴が出ていますね。
まだDF、GKの受賞はありません。
どうしても個人賞は攻撃の選手が獲りがちです。
今季は犬飼智也、沖悠哉あたりにも狙ってほしいと思います。
2020シーズン終了時まで宇佐美貴史の5回が最多受賞です。
J2時代に2013年8月、2013年11月・12月の2回、J1でも2014年9月、2015年4月、2019年11月・12月の3回の合計5回となっています。
鹿島からも宇佐美に匹敵するような選手が出てくることを期待したいです。
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