ポリバレントとは本来は化学の分野で頻繁に使われる用語です。
日本語訳では多価となります。
サッカーではよく聞かれる言葉ですが、元日本代表監督のオシムが使ったことで日本で広まっています。
そのサッカーでは複数の種類での繋がりや組み合わせが可能な選手に使われます。
簡単に言えばどこのポジションも臨機応変に対応してくれるということです。
まさに今の鹿島アントラーズにそのような選手がいます。
背番号11の和泉竜司です。
11月6日に誕生日を迎えました。
1993年生まれですので今年で29歳になります。
今回はそんな和泉竜司の紹介です。
和泉は三重県四日市市で生まれます。
父親が野球、母親がソフトボールをやっていましたが、小学校3年生の時に友達の誘いでサッカーを始めることになりました。
すぐに上達し中学生になる際にU−15名古屋グランパスに合格しています。
しかし自宅から遠いという理由で地元のFC四日市に加入です。
ここが市立船橋高校と繋がりがあったということで市船に進学することになりました。
市立船橋高校は全国高校サッカー選手権で5度の優勝を誇る名門校です。
しかし和泉が入学後は千葉県予選で1年生次にベスト4、2年生では準優勝と敗退してしまいます。
なかなか全国への出場はなりません。
ようやく3年生の時に千葉県決勝で流通経済大柏高校を延長の末1-0で破り全国の切符を掴みます。
勢いそのままに全国大会でも接戦をものにし、決勝まで勝ち上がります。
相手は浅野拓磨を擁する四日市中央工高校です。
その浅野に開始1分で決められ苦戦を強いられます。
なかなかゴールをこじ開けられず時間だけが過ぎていきました。
そして敗戦濃厚となった91分に和泉が土壇場でゴールを決め延長戦に持ち込みます。
延長でも105分に和泉がゴールを決め2-1で勝利し9年ぶりの優勝を決めています。
ドラマのような劇的な決勝戦でした。
この活躍もありいくつかJクラブからオファーがあったようですが、すでに大学進学を決めていたため明治大学に入学します。
明治では1年生からレギュラーとなり2年生、4年生で関東大学1部リーグのベストイレブンを受賞しています。
4年次にはベストヒーロー賞も受賞し大学ナンバー1アタッカーとなっていました。
そして卒業時には4つのクラブからオファーがあり名古屋グランパスに加入することになります。
今でこそ毎年明治から多くのJリーガーが輩出されていますが和泉の活躍があったからとも言われる存在です。
名古屋ではルーキーイヤーこそ出番は少なかったですが2年目から不動のレギュラーとなります。
その後はずっとフル稼働です。
本来は積極的なドリブルやスルーパスなどゴール前で決定的な仕事をするプレースタイルです。
しかし器用なためサイドバックやボランチもこなしていました。
2017年には6つのポジションで起用されるという珍しい記録も持っています。
そして4年を過ごし2020年に鹿島アントラーズに移籍してきました。
鹿島でも同じように万能の働きを見せてくれています。
今季はリーグ戦30試合、カップ戦7試合、天皇杯3試合と公式戦40試合に出場しました。
鹿島の全公式戦が47試合だったので85.1%もの出場率を誇ります。
サイドバックから中盤、FW、ベンチ要因までフィールドプレーヤーとして欠かせない選手でした。
本当にチームにとってこのような選手がいると助かります。
ただ得点はリーグ戦で1得点、天皇杯の1得点と2得点しかありません。
またアシストもリーグ戦で4つです。
和泉は攻撃の選手です。
相手にとって1番怖いのはペナルティーエリア付近でのプレーになります。
和泉の持っている力からすればもっとできるはずです。
来季は得点にアシストともっと成績を残してもらいたいです。
そうすれば自ずとチームの成績も向上すると思います。
本人はトップ下が1番合っていると公言しています。
どうにかこのポジションで輝いてほしいです。
30歳となる節目の年にトップ下でキャリアハイの成績を期待したいと思います。
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