2021年5月5日はルヴァンカップ第5節アビスパ福岡戦がカシマサッカースタジアムで行われました。
勝ち切れなかった印象の強い試合で1-1の引き分けに終わっています。
福岡はグループステージ突破がほぼ絶望的でしたのでリーグ戦からだいぶメンバーを落としてきました。
そのため勝ちたかったです。
ただ鹿島としては引き分け以上で自力でグループステージ突破を決めることができたため最低限の結果は出しました。
これにより1試合を残してプレーオフステージに進むことが決定しました。
しかしノックアウトステージ(決勝トーナメント)に進むことが決まったわけではないので油断は禁物です。
このプレーオフステージは2017年から導入されています。
以前はグループステージの上位2チームが自動的にノックアウトステージに進出できました。
しかし今は上位2チームがホーム&アウェイ方式の2試合を行い勝者のみがノックアウトステージに進出です。
そのためACLに出場しないクラブがルヴァン杯を制覇するのが少し難しくなっています。
山場を増やしたいということでこのプレーオフステージを採用したと思いますが非常にややこしいです。
特に鹿島はこのレギュレーションになってから初めてのプレーオフステージです。
必ず勝ってルヴァン杯制覇をしたいですね。
前置きが長くなりましたが試合を振り返ります。
スターティングメンバーは以下の11人でした。
GK1 クォン スンテ
DF22 広瀬陸斗
DF23 林尚輝
DF33 関川郁万
DF5 杉岡大暉
MF6 永木亮太
MF21ディエゴ ピトゥカ
MF25 遠藤康
MF37 小泉慶
FW19 染野唯月
FW41 白崎凌兵
リーグ戦とカップ戦のメンバーがある程度分かれるようになってきました。
そのためカップ戦要員になりつつある選手はアピールが重要です。
この試合の注目はピトゥカです。
公式戦初先発ということで長い時間をようやく見ることができます。
まだコンディションは万全ではないと思いますがどこまでできるか楽しみでした。
試合はすぐに鹿島のチャンスから始まります。
3分に遠藤のCKがDFに当たり関川の前にボールがこぼれてきます。
開始早々の絶好のチャンスでしたがシュートはバーの上を越えてしまいました。
そして6分にはピトゥカのパスがズレますがDFに当たり遠藤の得意なペナルティエリア右から左足を振り抜きます。
しかしこれも枠の左に外れてしまいます。
16分には白崎から小泉が落として走り込んだ永木が右足で強烈なシュートを放ちますがGK永石拓海にセーブされてしまいます。
飲水前までにこれら3本のチャンスがありどれか一つでも決めきれていれば楽な展開になったでしょう。
そしてここまでしっかり守れていましたが一瞬の隙が生まれます。
24分に攻撃側で小泉がカルロス グティエレスに奪われると吉岡雅和、城後寿とシンプルなカウンターを食らい4本のダイレクトプレーでジョン マリにあっさり先制されてしまいます。
鹿島が前がかりで攻めていたので仕方ないとは言え残念な失点です。
その後すぐに反撃に出ます。
31分に右サイドでボールを繋ぎ起点を作ると広瀬のクロスに遠藤が中で受けてヒールで後方に落とします。
これに走り込んだ白崎が左足でダイレクトで決めて同点です。
すぐに同点にできたためバタつくこともなく逆転を狙っていきます。
34分には左サイドの白崎からのクロスを染野が落としてダイレクトで遠藤が左足で打ちますがGK正面であったため弾かれてしまいます。
さらに38分には左サイドでダイレクトパスから抜け出した小泉がGKと1体1になりますが角度がなくシュートはGKに防がれました。
前半最後にはピンチがありました。
44分にカウンターで吉岡のマイナスの折り返しをジョン マリがシュートもスンテが至近距離で足でストップします。
スンテもたまにしか来ないシュートにも集中していました。
前半はボールを保持しゲームを作っていたのは鹿島です。
そしてゴールできたであろうシーンも5本ほどありました。
それを仕留められず福岡のカウンターにやられてしまったという展開です。
1−1のスコアが勿体無い前半でした。
そして後半も鹿島がゲームを支配して始まりますが福岡が引いているためいい形ができません。
54分に白崎からの横パスを遠藤が浮かしてボレーシュートを打ちますが永石のセーブに遭います。
いいアイディアからのシュートであり惜しいシーンでした。
最初の交代は56分に染野に代えて松村です。
その後62分にカウエのパンチのあるシュートを関川が顔面でブロックします。
近くからの強烈なシュートでしたが何事なくその後プレーできていて流石の体の強さを見せてくれました。
そして後半最大のビッグチャンスが生まれます。
69分広瀬からのクロスにその関川が頭で落として白崎が右足ボレーを打ちますがサイドネットでゴールはなりません。
白崎は枠には飛ばさないといけませんね。
効果的な攻撃ができず75分に広瀬、白崎に代えて常本佳吾、ファン アラーノとフレッシュな選手を投入します。
そして78分にピトゥカのスルーパスに松村が飛び出しますが僅かにDFに先に触れられコースを変えられてしまいシュートに持ち込めません。
最後は89分に遠藤、ピトゥカから町田浩樹、舩橋佑に交代です。
92分に杉岡からの縦パスに小泉が少し触りアラーノが切り返して右足のシュートはDFにブロックされます。
もうワンフェイントする前にシュートできればゴールに飛ばせたかもしれません。
最後は94分に渡大生が中央から巻いたいいシュートを打ちますがスンテが左手で外に弾き出します。
このピンチを乗り切り1−1のドローで試合は終了となりました。
試合全体の感想としては前半は鹿島が完全に支配しチャンスも多く作れていたため得点をし勝負を決めたかったです。
前半に決めきれなかったことり後半は福岡も守りに意識が強くなり効果的な攻撃ができなくなっていきました。
攻撃では染野がいいですね。
地味ですが絶妙なポストプレーが多く体が強くなれば大迫のようになれる逸材です。
あとは早くリーグ戦でのゴールが欲しいところです。
守備では林がよかったです。
身体能力の高いカメルーン代表のジョン マリ相手でも1対1で粘っていました。
このまま順調に成長すれば近い将来鹿島のCBのレギュラーになるかもしれません。
そしてまだ未知数なのがピトゥカです。
個人的に注目していたためかなり追ってしまいました。
ボランチのためボールを触る回数は多くシンプルなプレーが多いです。
ただ周りとの連携は合っているとは言えずパスがズレるシーンが少なくありませんでした。
本人もまだ50%から60%の状態であると話していますのでこれからですね。
最後に触れておきたいのは白崎です。
鹿島に加入した2019年以降怪我も多くこれといったインパクトを残せていませんでした。
今年もザーゴ前監督時代は序列が低く出番は限定的でした。
それが相馬監督になってから攻撃陣を引っ張る存在になっています。
元々攻撃センスがあることは知っていましたがこれほどの高い能力があるとは思いませんでした。
和泉が怪我から復帰してもどちらを起用するか監督は相当悩みそうです。
これからも更なる活躍を期待しています。
そしてルヴァンカップのグループステージはもう1試合残っています。
5月19日の第6節アウェイのコンサドーレ札幌です。
完全な消化試合でありリーグ戦で上位陣との対戦の合間に組まれています。
もうこの試合は結果は必要ありません。
新外国人と若手を中心とした大胆なメンバー編成をできる唯一の試合です。
チーム力の底上げのため出場機会の少ない選手を起用してほしいと思います。
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