これまで鹿島アントラーズには歴代65人の外国籍選手が所属していました。
内訳はブラジル人選手58人、韓国人選手6人、ナイジェリア人1人となっています。
皆鹿島のために全力でプレーしてくれました。
そして愛されるには成績だけでなくプレースタイルや見た目、人間性など様々な要素が噛み合う必要があります。
その1人にカイオがいます。
カイオが鹿島からUAEのアル・アインへ完全移籍したのが2016年7月5日でしたので約6年半前になります。
それでも未だにカイオの移籍話になると必ずと言っていいほど鹿島復帰論が出てきます。
まだサポーターから根強い人気があり復帰を熱望されているのです。
その理由の一つにブラジル人ではありますが鹿島が育てた選手だからというのが大きいと思われます。
カイオはブラジルでは地元サンパウロFCの下部組織でプレーもトップには上がれませんでした。
そして中学生で早くもプロの道を諦めかけていました。
それが日本行きのセレクションに合格し2011年千葉国際高校に留学が決まります。
そこで鹿島のスカウトの目に留まり入団が内定したのです。
無名のブラジル人選手であり高卒ルーキーのため、即戦力というよりは2、3年後に活躍してほしいという選手でした。
しかし当時のトニーニョ・セレーゾ監督はカイオの才能に目を付け抜擢します。
高卒のルーキーイヤーでリーグ戦に30試合出場8得点というアントラーズ史上最高成績を収めました。
そして外国籍選手としては初のベストヤングプレーヤー賞を受賞します。
未だにカイオただ一人の記録です。
その後もどんどん成長を続けJリーグに収まらない選手に成長します。
鹿島では2年半という短い期間ではありましたがインパクトは絶大でした。
以下が鹿島から移籍以降の成績です。(11月13日現在)
2016-2017
アル・アイン(UAE)
リーグ戦 24試合10得点12アシスト
カップ戦 5試合1得点1アシスト
2017-2018
アル・アイン(UAE)
リーグ戦 19試合5得点9アシスト
カップ戦 5試合4得点2アシスト
ACL 10試合3得点1アシスト
2018-2019
アル・アイン(UAE)
リーグ戦 22試合7得点6アシスト
カップ戦 6試合7得点2アシスト
ACL 7試合1得点1アシスト
CWC 4試合1得点3アシスト
2019
アル・アイン(UAE)
ACL 3試合0得点0アシスト
ベンフィカ(ポルトガル)
リーグ戦 4試合1得点0アシスト
カップ戦 2試合0得点0アシスト
CL 3試合0得点0アシスト
2019-2020
シャールジャ(UAE)
リーグ戦 6試合2得点2アシスト
2020-2021
シャールジャ(UAE)
リーグ戦 21試合6得点6アシスト
カップ戦 2試合0得点0アシスト
ACL 6試合2得点2アシスト
2021-2022
シャールジャ(UAE)
リーグ戦 20試合14得点6アシスト
カップ戦 4試合1得点1アシスト
ACL 7試合1得点3アシスト
2022-2023
シャールジャ(UAE)
リーグ戦 8試合4得点1アシスト
カップ戦 1試合0得点0アシスト
ACL 5試合2得点0アシスト
移籍したアル・アインでは好成績を収めます。
2018年のクラブW杯では準優勝に貢献しシルバーボールを受賞しています。
その後チャンピオンズリーグに出場するポルトガルのベンフィカにステップアップをします。
ベンフィカではうまくいかず半年で欧州挑戦を止めるとまたUAEに戻りました。
カイオのプレーはUAEに合っているのかもしれません。
テクニシャンでありながらも体が強く、縦に突破するスピードは圧巻です。
カイオですらブラジル代表の候補にすらならないところがサッカー王国ブラジルの恐ろしいところです。
欧州5大リーグに行っていたら世界的な選手になっていた可能性もあるのでしょうか。
現在のシャールジャの契約は2024年6月30日までとなっています。
カイオの市場価値は400万ユーロ(約5億7500万円)と高額です。
さらに年俸も高いためとても鹿島が手を出せる金額ではありません。
残念ですがすぐに鹿島復帰はなさそうです。
鹿島にいた頃は20~22歳で日本の高校出身であったこともあり日本代表への帰化の噂もありました。
もしカイオが今も鹿島にいてくれたら何個かタイトルを上乗せできていたでしょう。
日本国籍を取得するには5年以上継続して日本に住んで納税するなど条件が厳しいです。
そのため断念せざるを得ませんでしたが、帰化できていたら鹿島だけでなく日本代表の歴史も変わったかもしれません。
年齢的には今がピークでありカタールW杯日本代表のメンバーに入っていた可能性はかなり高かったと思われます。
きっとサムライブルーのユニフォームも似合っていました。
もう日本人カイオは叶わぬ夢となりましたがいつかは鹿島に復帰してくれたら嬉しいですね。
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