3月27日は内田篤人の誕生日です。
1988年生まれなので今年で35歳になります。
2020年シーズンの途中の8月23日、J1リーグ第12節ガンバ大阪戦で引退をしました。
現役を退いてから3年近く経過し時の流れを感じます。
まだ年齢的には同年代の現役選手もいるため早い引退でした。
怪我さえなければもっとトップレベルで長くプレーできていたでしょう。
ビッグクラブで右サイドを駆け上がる姿をまだまだ見ていたかったです。
それでも最後は鹿島アントラーズに帰ってくれて経験を還元してくれたことに感謝しています。
また内田は上記のガンバ戦で引退スピーチをしました。
その時に「カシマは少し田舎ですが、サッカーに集中できる環境、レベルの高さ、そしていま在籍している選手が君たちの大きな壁となり、ライバルとなり、偉大な先輩として迎え入れてくれるはずです。僕はそれを強く願います。」と未来の後輩に向けてメッセージを送っています。
そしてこのメッセージを聞いた須藤直輝は翌シーズンに鹿島アントラーズ入団を決断したそうです。
早くも内田イズムを引き継いだ選手が出てきました。
このように鹿島の歴史は脈々と繋がれています。
ただ今のところプレーヤーの実績としてルーキーイヤーから内田を超える選手は出てきていません。
内田は2006年に清水東高校から鹿島に入団します。
その年に監督に就任したパウロ・アウトゥオリに抜擢されすぐに右サイドバックとして頭角を現しました。
監督が若手を積極的に起用するタイプであったこと、レギュラーの名良橋晃が怪我をしていたことなど様々な要因はありましたがチャンスを掴みます。
そしてJリーグ開幕戦に高卒ルーキーとしてクラブ史上初のスタメン出場となりました。
その後もポジションを掴んで離さず出場数を伸ばしていきます。
このようにスムーズにプロの中に入れたことで鹿島のみならず、日本代表やシャルケ04でも名を残すことができました。
ただ1年目から高卒選手がJリーグで活躍することは難しいです。
特に鹿島ではなおさら少なく高校時代に有名な選手でも出場機会は限られています。
ここで内田を含む5名の高卒ルーキーイヤーの成績を見てみましょう。
内田篤人(2006年)
リーグ戦 28試合(先発28試合)2得点、2382分出場
カップ戦 10試合(先発9試合)0得点、729分出場
天皇杯 3試合(先発3試合)0得点、270分出場
リーグではサンフレッチェ広島との開幕戦にいきなりスタメン出場します。
高卒の開幕スタメンは鹿島史上初であり未だに内田ただ一人しかいません。
そしてドリブルでPKを誘発し先制点に貢献しました。
第4節のヴァンフォーレ甲府戦ではゴールも決めます。
17歳359日での初ゴールはクラブ最年少得点でありこちらも現在まで塗り替えられていません。
年間を通してほぼスタメンフル出場と絶対的なレギュラーでありました。
大迫勇也(2009年)
リーグ戦 22試合(先発9試合)3得点、842分出場
カップ戦 1試合(先発0試合)0得点、15分出場
天皇杯 2試合(先発0試合)0得点、38分出場
ACL 5試合(先発3試合)3得点、270分出場
ゼロックス 1試合(先発0試合)0得点、1分出場
鹿児島城西高校時代は「大迫、半端ないって」というフレーズで一世を風靡します。
高校選手権では1大会最多得点記録を更新する10得点を挙げました。
いきなりリーグ開幕前のゼロックススーパーカップに公式戦デビューを果たします。
高卒ルーキーの出場は青木剛以来2人目でした。
そしてリーグ戦やACLでもゴールを挙げます。
流石に1年目はレギュラーではなくベンチ要因でした。
柴崎岳(2011年)
リーグ戦 13試合(先発6試合)0得点、612分出場
カップ戦 3試合(先発3試合)1得点、360分出場
天皇杯 3試合(先発3試合)0得点、281分出場
ACL 1試合(先発0試合)0得点、5分出場
東日本大震災があり難しい年に1年目を迎えます。
シーズン序盤は出番がなく本人は相当なストレスがあったようです。
それでも5月から少しずつ出場する機会を得ていきます。
そして信頼を掴み10月以降はレギュラーを掴みました。
ナビスコ杯では準決勝の名古屋グランパス戦で決勝点となるプロ初ゴールを決めています。
決勝では浦和レッズを下して優勝しタイトル獲得を経験しました。
カイオ(2014年)
リーグ戦 30試合(先発25試合)8得点、2070分出場
カップ戦 6試合(先発2試合)0得点、229分出場
天皇杯 1試合(先発1試合)1得点、55分出場
千葉国際高校からC契約で加入します。
いくら高卒選手とは言えブラジル人のため外国人枠を使わなければなりません。
そのため出番は限られるかと思いました。
しかし4月には攻撃の中心選手になります。
独特のドリブルからのカットインは武器になっていました。
それまで柳沢敦が持っていたクラブの高卒シーズン公式戦最多通算得点(7得点)を更新します。
Jリーグ史上初の外国籍選手のベストヤングプレーヤー賞を受賞しました。
荒木遼太郎(2020年)
リーグ戦26試合(先発7試合)2得点、894分出場
カップ戦3試合(先発1試合)0得点、141分出場
東福岡高校の10番が入団しました。
クラブOBの本山雅志と同じ経歴です。
しかし同期の松村優太、染野唯月の方が高校サッカー選手権で活躍しており有名でした。
それでもプロ入り後は荒木の評価が高くなります。
そしてJリーグ開幕戦に高卒ルーキーで途中出場することになります。
鹿島ではクラブ史上、内田篤人以来14年ぶり2人目の快挙でした。
途中出場が多い中でも流れを変える貴重なスーパーサブとなりました。
以上の5名ほどしか高卒選手でルーキーイヤーから多く試合に出場していた選手はいません。
鹿島ではプロ入り1年目から大活躍するようなことはほとんどありませんでした。
上記のように守備では内田、攻撃ではカイオが高卒1年目からレギュラークラスで活躍したと言えます。
プレータイムや貢献度を考慮するとやはり内田が鹿島史上最高のルーキーと言えそうです。
そしてその後も順調に育ったことが非常に嬉しく思います。
若手の躍動は見ているサポーターもワクワクしますしチームに活気も出ます。
早くかつての内田のような勢いのある若手選手が出てきてほしいです。
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