1993年に開幕したJリーグも今季2023年が30周年のメモリアルイヤーとなります。
これまでの長い月日の中で各クラブの歴史や伝統が作り上げられてきました。
その中で各クラブ選手の背番号にも意味が出てきました。
サッカーでは一般的に背番号10がエースナンバーとされています。
そして10番を含めた1番から11番がレギュラー番号です。
それはどのクラブでも変わりません。
しかしJリーグでは選手の背番号が固定制となった1997年以降はクラブごとに象徴となる番号ができました。
そこで今回は鹿島アントラーズにまつわる背番号について振り返っていこうと思います。
8番(ゲームメイカー)
8番はレギュラー番号ではありますが鹿島では特別な番号です。
この番号は各クラブによってボランチだったり、2列目だったり、FWだったりと様々です。
鹿島も最初はマジーニョ、べベットと外国人FWの番号でした。
しかし2001年に若き日の小笠原満男が付けてから日本人ゲームメイカーの番号として引き継がれます。
次の野沢拓也も歴代屈指のファンタジスタでありタイトル獲得に大きく貢献しました。
その後はジュニーニョ、ルイス・アルベルトと外国人選手に渡る時期もありましたが、2015年からは土居聖真が背負っています。
8番として最長を更新しており今季が9年目です。
土居が直接タイトルを手繰り寄せるプレーを期待しています。
12番(サポーターナンバー)
12番をサポーターナンバーにしているクラブは多いです。
サッカーは11人でするスポーツなので12番目の選手という意味です。
鹿島もずっとサポーターのため空き番号になっています。
しかし1997年に1年だけロドリゴが付けていました。
ロドリゴは前年の1996年は10番を付けることが多かったですがビスマルクの加入で12番となっています。
今後は選手が付けることはなさそうです。
13番(エース)
FWのレギュラー番号である9番は黒崎比差支、11番は長谷川祥之ですでに埋まっていました。
そのため前年1996年に加入した柳沢敦にはゲルト・ミュラーのような点取り屋になってほしいとの願いから13番が託されます。
そして期待に応え日本代表をしてW杯に出場する選手にまで成長しました。
代表でも13番を背負っています。
2代目の興梠慎三も多くのゴールを決め鹿島の歴史に名を刻むFWとなっています。
その後は中村充孝、荒木遼太郎と中盤の選手が付けたためエースの印象は薄くなったかもしれません。
今季はCFの知念慶が背負うので再びエースとして箔が付く番号にしてもらいたいです。
18番(ストライカー)
18番は今季の染野唯月が12人目と入れ替わりが激しい番号です。
1997年の熊谷浩二から始まり様々なポジションの選手が付けていました。
しかし2007年のマルキーニョスが付けてから8人連続でFWの番号として定着します。
マルキーニョスは3連覇時のレギュラーであり2008年に得点王にも輝きました。
鹿島以上未だに得点王はこの1回しかありません。
2018年にはセルジーニョが付けてACL優勝も果たしました。
さらに上田綺世も日本代表となりベルギーのサークル・ブルッヘに旅立ちました。
40番(闘将)
2007年夏にセリエAのメッシーナにレンタル移籍をしていた小笠原満男が1年で復帰をします。
いくら当初はレンタル移籍であったとはいえ小笠原ほどの実力者であれば向こうで数年はプレーすると思っていたのでしょう。
クラブは以前の8番を野沢拓也に譲っていました。
2007年までのJリーグ規約のユニフォーム要項では基本的に40番までしか付けられませんでした。
そこであまり人が付けていないイメージで一番大きな番号ということで40番を選びます。
そして40番の時代に11冠を獲得です。
長くキャプテンを務めており小笠原の人柄と相まって鹿島の最も象徴と言える番号になりました。
2018年に引退し3年間は空いていましたが、鈴木優磨がベルギーから復帰時に自分が付けるべきと志願し2代目40番を背負っています。
そして今後鹿島の新たな背番号の歴史が築かれそうなのが55番です。
その背番号を背負うのはフランス、ニームから復帰した植田直通になります。
今季よりJリーグ規約が変更になり基本的に99番まで付けられるようになりました。
植田は以前の鹿島所属時は5番でしたが、現在は関川郁万が5番を付けています。
そのため5を2つ並べたぞろ目の55番を選択しました。
まだ見慣れない番号で違和感があります。
昌子源の回復具合によっては開幕戦で関川との5が3つ並んだCBコンビが見られるかもしれません。
もちろん今季から付けられるようになったためクラブ史上初めての番号です。
そして最も大きな背番号となります。
かつて小笠原満男が背負った40番のように鹿島にとって特別な番号になるのでしょうか。
2人は言葉よりも姿勢で見せるタイプも似ています。
タイトルを獲得し55番も引き継がれるような背番号になっていってほしいですね。
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