ゴールキーパーの定義はフィールド上の各チームに1人だけ置かれ、11人の選手の中で唯一スローイン以外の場合でもペナルティーエリア内であれば手でボールを扱うことが許されているとなっています。
サッカーはゴールを決めるスポーツのため守るGKの能力、経験が非常に重要です。
よく最後尾でチームを鼓舞する最後の砦とも称されます。
そのため上位クラブはGKに代表クラスを置いておくことが多くなっています。
年々GKの重要性は増すばかりです。
昨年リーグ34試合全試合フルタイム出場したGKは5人いました。(フィールドプレーヤーは中谷進之介、丸山祐市、マテイ・ヨニッチ、鈴木義宜の4人)
まずその5人とチームのリーグ順位は以下の通りです。
チョンソンリョン(川崎フロンターレ) リーグ1位
現在36歳で2016年の川崎加入以降5シーズンレギュラーを務めておりJ1リーグ154試合に出場しています。
韓国代表としても67試合出場しています。
2018年、2020年のJリーグベストイレブンです。
東口順昭(ガンバ大阪) リーグ2位
現在34歳でガンバ移籍初年度の2014年より7シーズンに渡りレギュラーです。
J1リーグでは316試合出場、日本代表では8試合に出場しています。
ランゲラック(名古屋グランパス) リーグ3位
現在32歳で名古屋移籍後の2018年より3シーズンレギュラーです。
J1リーグで101試合出場、オーストラリア代表で8試合に出場しています。
キムジンヒョン(セレッソ大阪) リーグ4位
現在33歳でセレッソ移籍初年度の2009年よりずっとレギュラーです。
J1リーグ285試合、J2リーグ113試合出場と活躍しています。
韓国代表でも16試合に出場しています。
西川周作(浦和レッズ) リーグ10位
現在34歳で2005年プロデビューの大分トリニータ、サンフレッチェ広島、浦和レッズと常にレギュラーです。
Jリーグベストイレブンも5回も受賞しています。(2012年、2013年、2014年、2015年、2016年)
J1リーグ490試合に出場しています。
今年のJ1現役選手の中で同じ浦和の阿部勇樹の577試合に次いで2位でJリーグ歴代でも10位の記録です。
今年は38試合あるのでもしフル出場したら歴代6位にまで上がってきます。
日本代表も31試合出場しています。
5人とも素晴らしいGKです。
これらの面々の実績が似ていることが見てとれます。
まずリーグ上位のGKは不動であるということです。
昨年だけでなく数年はずっとレギュラーを張っています。
また全員が30歳を超えています。
フィールドプレーヤーと違い経験が買われるポジションであるためさほど年齢は関係ありません。
さらに全員が各国の代表でワールドカップのメンバー入りもしています。
これら5名はすでにJリーグ史に残る名選手になっています。
そしてまだまだ衰え知らずです。
昨年2020シーズンのクリーンシートランキングもこの5名が上位を占めています。
1位(17試合)ランゲラック
2位(12試合)キム・ジンヒョン
3位(11試合)チョン・ソンリョン
4位(9試合)西川周作
5位(8試合)東口順昭
これまでの記録は1シーズンのクリーンシート数15試合でしたのでランゲラックは17試合で新記録樹立でした。(これまでの記録保持者は2016年の西川周作、2019年のキム・ジンヒョン)
34試合に出場しているため完封試合が多くなるのはわかりますがGKの能力も十分発揮されての結果だと思います。
GKというのはアクシデントがない限り、試合中の交代もないのでなかなか出番が回ってきません。
特にこのような素晴らしいGKが出てきてポジションを掴むとなかなか代わらないものです。
これは鹿島でも同じことが長年起こっていました。
曽ヶ端準が2001年から2016年、クォンスンテが2017年から2020年前半とレギュラーであり他の選手は彼らを越えられませんでした。
それを20歳の沖悠哉が昨シーズンついに牙城を崩します。
2020年8月8日第9節サガン鳥栖戦に抜擢されると期待以上の活躍を見せます。
その後はがっちりとレギュラーを掴みシーズン最後まで鹿島のゴールを守り切ってくれました。
結局昨シーズンは24試合出場で6試合のクリーンシートでした。
フル出場していたら10試合くらいは完封できたと思います。
さらに沖は今のGKに必要な要素を兼ね備えています。
近年よく言われるのがビルドアップへの参加です。
かなり言われ続けていることでありGKの足元の技術は飛躍的に伸びています。
Jリーグ草創期ではGKはほぼ相手が来ると大きく蹴り出すことが主流でした。
それはそれで失点のリスクが軽減するため悪いことではありません。
しかしGKがビルドアップと呼ばれる守備からの組み立てに参加できれば11対10の数的優位が作り出せ攻撃に繋げることができます。
沖にはフィールドプレーヤーと比べても遜色ない足元の技術とキック精度があります。
また優しそうな顔をしていますが味方へのコーチングもしっかりしています。
GKといえば相手のシュートを直接受け止める、派手なセービングなどが思い浮かびますがいくら優秀なGKでもポジショニングが悪くシュートがよければ止めることはできません。
そのポジショニングをするための味方DFを動かす指示を年上の選手にも臆することなくできます。
そして沖はシュートへの反応が早くビッグセーブでチームを何度も救っています。
PA内シュートセーブ率も65.5%でリーグ全体で8位に付けています。
もう少し上位でもおかしくないような印象でした。
このように現代のGKとして理想的な選手です。
プロ入り3年目で24試合出場と比較的早く実績を積むことができました。
フル出場のため出場時間2160分はチーム5位の記録です。
これから更なる経験を積めばJリーグを代表する上記5人のGKをごぼう抜きできると思います。
そして将来は日本代表の正ゴールキーパーになるでしょう。
そのためにもまずは今年はリーグでMVP級の活躍がほしいところです。
そうすれば必然的にチームの優勝にも近づくと思っています。
偉大な先輩である曽ヶ端のように長年鹿島のゴールマウスを守り続けてほしいですね。
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